レポート&インプレッション

イベント報告、好きな役者さんやドラマの個人的感想を語るブログです

カテゴリ:ドラマ > 昔のドラマ

今回は今までとは少し違った記事になります。

俳優の渡瀬恒彦さんが14日お亡くなりになったというニュースが今朝流れました。
2年くらい前に胆のうがんが見つかり闘病されていたということは知っていましたが、その間にもドラマに出演されていたし、死というイメージがあまり湧かない方だったので何とか克服してまた復帰されるのだろうと思ってきました。それだけに、このニュースに触れたときは本当に大きなショックを受けました。

渡瀬恒彦さんといえば、『十津川警部シリーズ』、『タクシードライバーシリーズ』『ザ・公証人シリーズ』などといった 2時間ドラマで活躍していた印象も強いのですが、個人的に一番思い入れが深かったのは2007年~2008年にかけて放送されたNHK朝の連続テレビ小説『ちりとてちん』徒然亭草若師匠役でした。
最初から最後まで無駄のない素晴らしい朝ドラで今でも個人的№1朝ドラである『ちりとてちん』。本当にこのドラマが大好きで、当時はブログ(現在は更新停止中ですが)に5週目あたりから毎日レポ記事を書いていました。

↑ ちりとてちんのイベントについてなどもレポしてあるので興味がありましたらどうぞ。

ちりとてのなかに登場する草若師匠は、かつては落語四天王と呼ばれるほどの人気落語家だったのですが、大きな落語会の前に愛する妻が死の病にかかったことを知ってしまい、動揺のあまり会をすっぽかしてしまった出来事からすっかり落ちぶれてしまった人物でした。
それから数年後、主人公の喜代美と出会い、離れていた弟子たちが戻り、周囲の人たちの温かいまなざしもあるなかで再び落語の世界へ戻っていく草若師匠。しかし、落語界に復帰して数年後に死の病におかされ、悲しむ弟子たちにありったけの愛を注ぎつつ、彼らの大舞台当日にこの世を去ってしまいます。 

渡瀬さんの訃報を聞いたとき、あの、愛する弟子たちの落語を感じながら命の火を消してしまった草若師匠の姿が鮮明によみがえってきて涙が止まりませんでした…。
今でも私の心の中に、あの、渡瀬さんの草若師匠は着実に生きていたんだなと…改めて実感しました。

渡瀬さんが演じた草若師匠がいたからこそ、いつまでも心の中に残る名作となった『ちりとてちん』。大好きな大好きな作品ですが、今はちょっと、見れません…哀しすぎて。



ちりとてちんのあと、ドラマ『おみやさん』で喜代美役だった貫地谷しほりちゃんと渡瀬さんが共演した時は嬉しかったな…。昨年の『おみやさん』スペシャルでは四草役だった加藤虎ノ介くんも加わり、本当に嬉しい共演が実現したばかりだった…。
何が何でもやりたいと熱望していたという、ドラマ『9係』シリーズ。4月から新シリーズが放送される予定になっていましたが、ついに渡瀬さんは撮影に参加できなかったそうです…。渡瀬さんの復帰を心待ちにしていたスタッフやキャストのことを想うと、本当に言葉がありません。さぞ無念だったと思います…。
 

渡瀬恒彦さん、今まで素敵なお芝居で私たちを楽しませてくださり 本当にありがとうございました。どうか、安らかに…。

最後に、草若師匠の十八番だった愛宕山の一節を…。

「 野辺へ出て参りますと、春先のことで
 空にはひばりがピーチクパーチクさえずっていようか
 下にはレンゲ、タンポポの花盛り、陽炎がこう燃え立ちまして
 遠山にはパーっとかすみの帯をひいたよう、
 麦が青々とのびて菜種の花がいろどっていようかという本陽気、
 やかましゅうゆうてやってまいります、
その道中の陽気なこと!」

謹んでご冥福をお祈りいたします。

合掌


先日、某サイトで久しぶりに大好きだったドラマが流れていたので思わず見入ってしまいました。かなり前の作品なので知らない方も多いかと思いますが、今でも心の中で大切にしたい一作です。

1996年 テレビ朝日系
『イグアナの娘』 
主演・菅野美穂 原作・萩尾望都


タイトルを聞いたら、コメディか何かだと思ってしまう人も多いかもしれません。放送前、原作を知らなかった私もそう思ってた一人ですので(笑)。 しかしながらこれは、大真面目な人間ドラマなんですよね。描かれているエピソードは胸が痛くなるようなものも多いんですが、どの回にも心の中がどうしようもなく温かくなる優しい何かがあるのです。後半に行けばいくほど泣けて、クライマックスは号泣しました
この前久しぶりに見たんですけど、放送当時感じた胸震える感動は全く変わっていませんでした。本当に大好きなドラマです。

主演の菅野美穂さんの透明感あふれる演技が今見ても本当に素晴らしいです。物語全体のピュアなイメージを崩すことなく、もがきながらもひたむきに必死に前を向こうと頑張る姿にものすごく共感させられました。
菅野さんと同年代の当時若い役者さんのお芝居は正直、今の若い役者さんに比べると未熟さを感じるんですが(今大活躍してる岡田義徳くんもこの当時は素朴な感じだった)、菅野さんの芝居がとても安定しているので逆にピュアで新鮮に思えてしまうという。今のドラマではなかなかこういう雰囲気のものは出ないのではないかと。 

そんな菅野さんと同じレベルで心を打つ芝居を魅せてくれているのが親友役を演じた佐藤仁美さんです。最近ではぶっちゃけキャラみたいな感じでバラエティに出ていますがw、この作品の中での佐藤さんの温かい芝居はもう見てるだけで涙を誘うほど誠実でピュアです。ぜひこの頃の佐藤さんを見てほしい。

そして忘れてはいけないのが今は亡き川島なお美さんの迫真の芝居と、現在大河ドラマ「真田丸」で人気沸騰中の草刈正雄さんの寛大な愛情あふれる芝居です。鬼気迫る川島さんの熱演と、いつも温かく包み込む優しさを演じた草刈さんのコンビは圧倒的な存在感を放っており見ごたえ十分です。
川島さんのイメージは失楽園よりも個人的にはこのイグアナの娘の母親役の方が鮮烈に残っていたので、昨年亡くなられたというニュースを知った時は本当にショックでした


あと、ドラマ全体に流れる優しい音楽がこれまた素晴らしかった。

寺嶋民哉さんは、今でも大好きな作曲家さん。CDも持ってていまだに聴いてます。ドラマの世界感にドンピシャでハマってたんですよね、この音楽。
さらには主題歌にエルトン・ジョン「YOUR SONG」を充てたのも大きいです。物語の最後にこれが流れると本当に必然的に涙があふれたという・・・こちらもイグアナの娘の世界にぴったりハマってたんですよね。DVDには版権の問題とやらでエルトンジョンの歌声入りのは入っていないそうですが、CSでたまに再放送されたりするもの(先日の動画サイトでも)はオリジナルが流れているとの事。


以下、追記で少しドラマのネタバレ内容に触れたいと思います。


 
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