徳川の放った砲弾一発の影響で侍女の死を目の当たりにしてしまった茶々はショックから誰にも逢おうとしない。人一倍「死」に敏感な人なだけに、その衝撃たるや計り知れないものがあります。
そして、この砲撃事件で大きなショックを受けた人がもう一人・・・茶々の部屋を教えてしまった片桐且元です。もう本当に、なんであの時家康を信じて教えてしまったのか
って思ってしまうんだけど…それもコバさんが演じた且元らしさでもあるのかなと思ったり。自分の一言が豊臣崩壊への足掛かりになってしまったと感じた彼は、その半年後に亡くなったそう
。久しぶりに出た有働さんの「ナレ死」対象者は且元だったというのがなんとも切ない。病気とも自殺ともって言ってたけど…どちらもあり得るよなぁ
。片桐且元さん、お疲れ様でした。
流れは一気に「和睦」へと向かい、牢人衆の不満も渦巻いている。そんな猛者たちを勝永さんは「兄貴が何とかしてくれる!」と又兵衛さんに丸投げしちゃった感じw。兄貴ってwww。哀川さんが演じてるからそうなったのか
。頼まれればやる気を起こす又兵衛兄貴は策があるとも思えない中「任せとけ!!」と引き受けちゃう。やっぱ頼もしいわ
。
幸村も戦の先頭を走っていただけに「和睦」に持ち込む噂の渦中の人って白い目で見られてしまっている。和睦への不満が強すぎてついにあの、無口武闘派キャラだった治房さんまで「和睦はならん!!」と言葉を発してしまったよ
。この人、今後これ以外にもセリフ出てくるんだろうか?お兄さんの治長とはこの件を巡って険悪になってきてる様子だけど、喧嘩したら弟が勝ちそうだよなw。そんな治長は最近幸村に「誠に相すまぬ」と謝ってばかり
。中間管理職的な悲哀すら感じます(苦笑)。
さっそく和睦交渉についての話し合いが秀頼を交えて行われていますが、一番の問題は牢人たちの処遇。彼らがいたから冬の陣は勝利を得たのであって、豊臣に召し抱えるっていうのは当然の流れに思えるし幸村もそれを望んでいる。ところが、牢人は野蛮な人の集まりって考えから脱却できない大蔵卿は大反対
。まぁね、そう思う気持ちも分からなくはないんだけどね…それでもほんとこの人壁になってばっかだからどうにももどかしいw。秀頼が牢人たちには何とか報いたいって思っているのが救いです。
さらには秀頼や茶々の処遇についても頭が痛いところ。家康はきっと人質を求めてくるだろうと読んでいる有楽斎。さすがに母親一人を人質として江戸に下らせるのは息子としても忍びない。でも、世の中に平穏が戻るなら自分は大坂城を出てもいいと思っている秀頼。西国のどこかで暮らすのも悪くないと。しかし戦い勝利するために大坂城へやってきた幸村としては納得のいくものではありません。秀頼が城を出るのは反対ってところだけは大蔵卿と意見が一致したようですが
前途多難。
そんな時、幸村は茶々に呼び出される。幸村だけには自らの本心を明かす茶々。怯えすがりついてくる茶々を幸村は拒絶できません。彼女はまだ幸村に対して恋愛感情が残っているんだろうか?すごく微妙な関係なんですよね、この二人。まぁ、三谷作品の中での恋愛パートは正直全く期待していませんが(苦笑)。
幸村はさらに五人衆の取りまとめもしなければいけないわけで大変。処遇への不満は実はヘタレな盛親さんやお祈りばかりの全登さんですら募りに積もっている様子。この二人はあまりまともに戦ってる姿が映ってないだけに「お前たちが言うな」って思っちゃいますがw、見えないところで貢献していると信じたい
。勝永に至っては幸村と茶々との仲を疑い出している様子。茶々に取り入って自分だけ甘い汁吸うんじゃなかろうな!?とまで言われちゃって、ほんと幸村お気の毒
。
ちなみに「任せておけ!」と言っていたアニキ・又兵衛はこの時点で何もできずじまい
。どうにかしてくれ~!
一方、江戸のお通の屋形には心の安らぎを求めて信之が通ってきている。ひざまくらまでしてもらってすっかり和んでいる信之ですが…ついにその現場に本妻と前妻(現・侍女)が乗り込んできたっ

。
稲さんもう、顔が怖いっ!!おこうさんは「旦那さまを癒して差し上げるのは私の役目でございましたのにっ!!!」と悔しさを隠し切れずお通に掴みかかろうとする有様

。おこうさん、こんな激しい一面あったのねw。まぁ、彼女たちの気持ちも分かるけど。
しかしそれをピシャリと払ってツーーンとしてるお通さんはもっと怖い

。聞けば彼女は男性を癒す商売をしているらしい!?え??そうなの!?お通ってそういうキャラ???それを証拠に襖の外には次の人が自分の順番を待って座ってるww。

この方、「真田丸」テーマ曲の指揮を担当してる下野竜也さんですよ
!びっくり~!!
信之は本当にお通の本性を知らなかったみたい。お金もひっそり家臣が払ってたらしいし。どこまでも最後は貧乏くじ引かされちゃうんだね~~
。ということで、お通さんはこれにてお役御免になった模様。これからさらに信之は肩身狭い想いしそうで気の毒だわ。
っていうか、今この時期にこういうエピソードいりますかね???正直、大坂の陣とかで盛り上がってる内容の流れを止めちゃってるような気がしたんですが。そもそも、なんでこんな中途半端なキャラでお通さん登場させたのかもわからない。
幸村に対する不信感が強くなってきた又兵衛と勝永は、幸村に一番近い家臣でもある作兵衛を呼び出して牢人たちの前で尋問することに。これ、アニキの案ですな、きっとw。「真田幸村はどんな男だ!?俺たちが命を預けるのに足る男か!?」と切り出した又兵衛たち。猛者みたいなのに囲まれて四面楚歌状態の作兵衛でしたが、堂々と「知らぬ!」と答える。さすが源次郎が見込んだだけある男!自分は九度山にも行ってないしわずかの間しか一緒にいなかったと平然と答えるのがすごいと思う。
この人のさらにすごいのはこの後。そう答えておいた上で、偉大だった幸村の父・昌幸の名前を持ち出しヨイショしまくってから「源次郎さまはその血を受け継いでおられる!」と。太閤の恩に報いるなら何でもする男だと真っ直ぐな目で訴える作兵衛。この応え方は説得力絶大でしょう
。下手に本人ヨイショするよりも存在の大きな父親エピソードを持ち出して「その血を受け継いだ息子なんだぞ!」って言った方が飲みこみやすい気がする。さすがの又兵衛や勝永も心が定まった様子。作兵衛、グッジョブ

茶臼山の徳川の陣営に豊臣からの和睦の要件を書いた文が届いている。それを見て余裕綽々の家康ですが、秀忠はなぜ家康が和睦に持って行こうとしているのか納得できない。目先のことに捕らわれがちな秀忠に正信は「大御所様は相手をまず丸裸にしてから総攻撃しようと思ってるんです」と諭す。秀忠も大きな父親を持って不幸だよね。どうしても焦っちゃう気持ちはなんだかよく分かる。
和睦の文には四国2県を求める旨が書かれていましたが、家康はそれは承服できないと言い「上総あたり与えとけ」と言い放つ。この当時、京が中心だったので東に下ることは島流しにも等しい感覚があったんじゃないでしょうか。家康は秀頼たちがその条件を飲まないだろうというのを見越してこう言い放ってるから怖い
。
案の定、秀頼は「関東はさすがに嫌じゃ」と拒否反応。家康がそういうのを分ってて条件出してきたっていうのは幸村も計算済みの様子。この先はそれぞれ使者を立てて話し合うのが得策ということになりました。問題はその人選です。
立候補1人目の有楽斎は徳川と通じてる可能性大と睨んでいるので断固阻止!本多の古狐相手では有楽際も無理だと理由付けして却下した幸村ww。ここはいっそ、女子の使者を立てる方がいいと妙案を出しますが…立候補2人目として名乗りを上げたのが大蔵卿。めっちゃ行く気満々みたいですがwwこの人行かせると交渉がうまくまとまらないと直感してる幸村はスルーして初が適任だと告げます。初は徳川と豊臣のはざまにいる立場だから適任だと話しているのに「あの人は政に一切興味ないから!」と斬り捨ててあくまでも自分が行くと言って聞かない大蔵卿www。あんたそんなに交渉の場に行きたかったのか
。
しかし、結局決まったのは初のほうだったようでw、徳川にもその旨が知らされます。豊臣が女性を出してくるのであれば徳川からも女性を出さざるを得ない状況。これは先手を打った幸村の策が当たった感じですね。しかし、家康が使者にと思いついたのは…家康より怖い女・阿茶でした
。音楽のリズムに合わせて首を動かすといった細かい動きは笑えたけど(あれ、どんな方法で演出つけたんだろうww)、この人来たらこわいよ~~~
。
大坂では乗り気ではない初をなんとか説得。なんと、却下したかった大蔵卿を不安だからと一緒に連れて行くことで納得したらしい
。え~~~、それ、ますます危険な香りがするんですけど
。この人の「お任せ、あれ」は当てにならないですからねぇ(苦笑)。
そこで幸村は阿茶を知っているというきりを初に同行させることに。本当は初ときりの二人に行かせたかったわけですが、行くと言って聞かない大蔵卿の圧しの強さに幸村もついに根負け
。結局、初・きり・大蔵卿といった不安定女子3人で乗り込むことになってしまいましたw。きりの「おまかせ、あれ!」は最近頼りになる感じですがね。
幸村に不安な気持ちを打ち明ける秀頼。そんな彼に「望みを捨てないものにだけ道は開ける」と説く幸村はカッコいい。この言葉はどんな場合でも、そして現代でも当てはまりますよね。こんな殿さまに託されたんだから、初さん頑張ってきて!!と思ったんですが…最初からおどおどしてる初に比べ阿茶の堂々たる振る舞いたるや…見るからに徳川有利っぽい雰囲気になってしまってる
。横にいる大蔵卿が代わりに阿茶さんとの会話にぐいぐい食い込んでくる感じでもう危なっかしくて仕方ない
。
阿茶の口からは茶々を人質に取らないとか、秀頼の領地はそのままでいいとか、危害は加えないとか・・・もう良いことずくめのオンパレードで逆に気味が悪いほどの好待遇がポンポン出てくる。さらには牢人も処罰しないとまで言ってくる。これ、疑わないほうがおかしいだろう!!この人の「あとは追々」ほど怖い言葉無いんだから!さすがに初も怪しいと思ってるわけですが、オドオドして想ってることをなかなか口にできない。代わりに大蔵卿がすっかり阿茶に取り込まれて「良いことずくめ!」と目をハートにして喜んでしまってるww。あかんわ、このおばはん
。
と、その時、阿茶の女狐っぷりを知っているきりは機転を利かせて「足が攣りましたぁぁ~~!!」とローリングリアクション付きでwその場の空気を変える。そして目で初に「今が発言のチャンス!」と訴えます。私、きりは未だに苦手キャラだけど、この時はホント、グッジョブ
って思ったぞ
。
きりのアシストでようやく発言権を得た初。牢人たちの処遇がまだはっきり決まっていないと反論。ここをしっかり決めてもらわないと牢人たちが路頭に迷ってしまう事になりかねません。すると阿茶は初にではなく、すっかり手の内に落ちた大蔵卿に「牢人たちがウロウロしてたらおちおち眠れないでしょう」とその心中をうまく突いてくる。本当に牢人たちを追い出したい大蔵卿は「そうなのです~~!!」と阿茶に同調
。初はそれに負けじと「領地増やしてもらわないと牢人たちが困ります」と粘る。頑張れ初!!!ところが、この発言を逆手にとって阿茶は恐ろしいことを提案してきます。
「真田丸があるから牢人たちはいつまでも居座るのです。真田丸は取り壊し、ついでにお堀も埋めてしまいましょう」
ここでそうきたのか~~~

!!城が裸になれば牢人も出ていきますよって優しい顔して大蔵卿に話すと、本気で牢人を追い出したい彼女には願ったりかなったりで「さすがは阿茶様!そういたしましょ!」と大乗り気

。大蔵のオバハン…城が丸裸になって牢人がいなくなったら家康に総攻撃されて豊臣家滅亡まっしぐらな未来があるって想像できなかったのかなぁ~~…って今にしてみると思ってしまいます。これ、喜んでる場合じゃないんだよっ!!って。
このままいくとホントにヤバい!と察したきりは再び足が攣った芝居をして初に発言のチャンスを与える。今回はホントいい仕事してるぜ、きり

。でも初はさしたる返してもなく「いったん持ち帰って秀頼に相談させてほしい」というのが精いっぱい。これに対して阿茶は「男に相談したらまた血が流れますよ」と笑顔で脅しにかかる。向こうのほうが一枚も二枚も三枚も上手。そもそも、大蔵のオバハンを連れて行ったのは大きな間違いでしたな
。
ということで、豊臣に一見するとめっちゃ好条件を出したうえで真田丸取り壊しと堀の埋め立てを承認させてしまおうという徳川の策略は見事に成功したのでした。これ実現させた阿茶さん、ほんと怖い女だな
。家康さん、肩揉みだけじゃ足りないかもよww。ちなみに阿茶を演じた斉藤由貴さんはこれがラストの出番だったそう。印象に残る怪演でした
。
意気揚々と和睦の条件が整った旨を報告する大蔵卿でしたが、あまりにも豊臣に都合がよすぎる内容に幸村たち(大蔵卿と有楽斎を除くw)は不安を隠し切れない。他にも何かあったはずだときりに確認しに行くと…堀を埋め立て真田丸を取り壊す内容が書いてないと指摘され顔面蒼白に


。
急いで駆け付けると…既に真田丸の取り壊しは始まっていて…。あ~~~…あの、興奮の勝利をもたらした「真田丸」がぁぁ~~!!

幸村だけでなく、見ている私たちもほんと絶句状態でしたよ

。こうなるって歴史では分かってたけど、目の当たりにするとショック大きいよ、ホント。
この件について大蔵卿を問い詰める幸村ですが、「私が許しました!!」と事の次第を全く理解できてないこの方はドヤ顔で応戦(苦笑)。堀が無くなれば牢人たちが出ていって一件落着って、ホントに信じてるようで。この人、本当に牢人が大坂城でうろつくの嫌でたまらなかったんだね
。そこを家康に付け込まれたんだってことも大蔵卿にはもはや通用しない。
「母上は豊臣を潰すおつもりか…!!!」
という息子・治長の言葉に一瞬怯むも、自分の行為は間違っていないとばかりに
「すべては豊臣のためじゃぁ!」
と、聞く耳を持たない。且元が滅亡への足掛かりを作ったならば、大蔵卿は滅亡への大いなる手助けを施したってことになるわけですね。なんとももどかしい…。
事の次第にすっかり絶望してしまった幸村は策を考える気力すら失ってしまった。あんなに勝ちに執着していた幸村の口からは「もはや勝ち目はなくなった」という言葉が飛び出す。又兵衛は扉を蹴飛ばして倒してその苛立ちを表現。それを見て、さすが兄貴って思ってしまったのはここだけの話w。
城を枕に討死しようとせずにすぐ大坂城から立ち去るよう告げると早々にその場を立ち去ってしまう幸村。重苦しい空気の中、盛親や團右衛門ら数名は城から出ていこうとしますが・・・そこに待ったをかけたのはアニキ・又兵衛でした。無言で怒りを表現してましたが、又兵衛はまだ幸村のことを信じてるんですよね。作兵衛から聞いた言葉を彼は信じている。幸村は命を預けるに足る男なんだと。堀の無い城で戦うなんて「面白いじゃないか!」と言い放つ姿はまさに兄貴!!カッコいいです
。
戦えない状況となってすっかり意気消沈してしまった幸村は家族だけでも上田に帰そうとします。が、その時、アニキ率いる牢人衆や治房、重成らが幸村の元に大集結。
アニキ・又兵衛
「早く策を立ててくれよ!!俺たちはうずうずしてるんだっ!!」
全登
「私は、何のために九度山へ行ったのです!?」
盛親
「儂らはおぬしに従う!」
勝永
「考えろ!!どうすれば勝てるか、考えるんだ!!!」
重成
「あなたは勝つために、ここへ来られたのではないのですか?」
もうねぇ、この、皆の一言一言が熱くて温かくて…そしてそれに想いを新たにするかのように頷く幸村の表情が…見ていてものすごく泣けました
。みんな、諦めてない!!そういう想いにさせたのは、幸村の勝利を信じて諦めなかった心があったからなんだよ。そんな幸村に戻ってほしい。みんなの願いは一つです。作兵衛も治房も他の牢人たちも、みんなみんな幸村を信じることに決めたのです。なんて熱くて素敵な仲間たち!!そんな彼らの気持ちに幸村の心が動かないはずがありません
。
そしてさらに、幸村の元へ治長と共に秀頼もやって来る。
「私は、まだ望みを捨ててはいない!!」
この言葉で、幸村の心は決まりました。諦めない心は人をさらに強くする!再び戦いへの決意を奮い立たせた幸村の表情はすっかり戦闘モードに変わっていました。この表情の変化が、堺さんさすがだなと思いました。
非常に感動的でいいシーンでした
こんな固く熱く強い団結力のある豊臣、ホントに負ける気がしない。でも歴史は残酷なんだよね…。次回はかなり物騒なエピソードになりそうです。
そして、この砲撃事件で大きなショックを受けた人がもう一人・・・茶々の部屋を教えてしまった片桐且元です。もう本当に、なんであの時家康を信じて教えてしまったのか




流れは一気に「和睦」へと向かい、牢人衆の不満も渦巻いている。そんな猛者たちを勝永さんは「兄貴が何とかしてくれる!」と又兵衛さんに丸投げしちゃった感じw。兄貴ってwww。哀川さんが演じてるからそうなったのか


幸村も戦の先頭を走っていただけに「和睦」に持ち込む噂の渦中の人って白い目で見られてしまっている。和睦への不満が強すぎてついにあの、無口武闘派キャラだった治房さんまで「和睦はならん!!」と言葉を発してしまったよ


さっそく和睦交渉についての話し合いが秀頼を交えて行われていますが、一番の問題は牢人たちの処遇。彼らがいたから冬の陣は勝利を得たのであって、豊臣に召し抱えるっていうのは当然の流れに思えるし幸村もそれを望んでいる。ところが、牢人は野蛮な人の集まりって考えから脱却できない大蔵卿は大反対

さらには秀頼や茶々の処遇についても頭が痛いところ。家康はきっと人質を求めてくるだろうと読んでいる有楽斎。さすがに母親一人を人質として江戸に下らせるのは息子としても忍びない。でも、世の中に平穏が戻るなら自分は大坂城を出てもいいと思っている秀頼。西国のどこかで暮らすのも悪くないと。しかし戦い勝利するために大坂城へやってきた幸村としては納得のいくものではありません。秀頼が城を出るのは反対ってところだけは大蔵卿と意見が一致したようですが

そんな時、幸村は茶々に呼び出される。幸村だけには自らの本心を明かす茶々。怯えすがりついてくる茶々を幸村は拒絶できません。彼女はまだ幸村に対して恋愛感情が残っているんだろうか?すごく微妙な関係なんですよね、この二人。まぁ、三谷作品の中での恋愛パートは正直全く期待していませんが(苦笑)。
幸村はさらに五人衆の取りまとめもしなければいけないわけで大変。処遇への不満は実はヘタレな盛親さんやお祈りばかりの全登さんですら募りに積もっている様子。この二人はあまりまともに戦ってる姿が映ってないだけに「お前たちが言うな」って思っちゃいますがw、見えないところで貢献していると信じたい


ちなみに「任せておけ!」と言っていたアニキ・又兵衛はこの時点で何もできずじまい

一方、江戸のお通の屋形には心の安らぎを求めて信之が通ってきている。ひざまくらまでしてもらってすっかり和んでいる信之ですが…ついにその現場に本妻と前妻(現・侍女)が乗り込んできたっ



稲さんもう、顔が怖いっ!!おこうさんは「旦那さまを癒して差し上げるのは私の役目でございましたのにっ!!!」と悔しさを隠し切れずお通に掴みかかろうとする有様



しかしそれをピシャリと払ってツーーンとしてるお通さんはもっと怖い




この方、「真田丸」テーマ曲の指揮を担当してる下野竜也さんですよ

信之は本当にお通の本性を知らなかったみたい。お金もひっそり家臣が払ってたらしいし。どこまでも最後は貧乏くじ引かされちゃうんだね~~

っていうか、今この時期にこういうエピソードいりますかね???正直、大坂の陣とかで盛り上がってる内容の流れを止めちゃってるような気がしたんですが。そもそも、なんでこんな中途半端なキャラでお通さん登場させたのかもわからない。
幸村に対する不信感が強くなってきた又兵衛と勝永は、幸村に一番近い家臣でもある作兵衛を呼び出して牢人たちの前で尋問することに。これ、アニキの案ですな、きっとw。「真田幸村はどんな男だ!?俺たちが命を預けるのに足る男か!?」と切り出した又兵衛たち。猛者みたいなのに囲まれて四面楚歌状態の作兵衛でしたが、堂々と「知らぬ!」と答える。さすが源次郎が見込んだだけある男!自分は九度山にも行ってないしわずかの間しか一緒にいなかったと平然と答えるのがすごいと思う。
この人のさらにすごいのはこの後。そう答えておいた上で、偉大だった幸村の父・昌幸の名前を持ち出しヨイショしまくってから「源次郎さまはその血を受け継いでおられる!」と。太閤の恩に報いるなら何でもする男だと真っ直ぐな目で訴える作兵衛。この応え方は説得力絶大でしょう



茶臼山の徳川の陣営に豊臣からの和睦の要件を書いた文が届いている。それを見て余裕綽々の家康ですが、秀忠はなぜ家康が和睦に持って行こうとしているのか納得できない。目先のことに捕らわれがちな秀忠に正信は「大御所様は相手をまず丸裸にしてから総攻撃しようと思ってるんです」と諭す。秀忠も大きな父親を持って不幸だよね。どうしても焦っちゃう気持ちはなんだかよく分かる。
和睦の文には四国2県を求める旨が書かれていましたが、家康はそれは承服できないと言い「上総あたり与えとけ」と言い放つ。この当時、京が中心だったので東に下ることは島流しにも等しい感覚があったんじゃないでしょうか。家康は秀頼たちがその条件を飲まないだろうというのを見越してこう言い放ってるから怖い

案の定、秀頼は「関東はさすがに嫌じゃ」と拒否反応。家康がそういうのを分ってて条件出してきたっていうのは幸村も計算済みの様子。この先はそれぞれ使者を立てて話し合うのが得策ということになりました。問題はその人選です。
立候補1人目の有楽斎は徳川と通じてる可能性大と睨んでいるので断固阻止!本多の古狐相手では有楽際も無理だと理由付けして却下した幸村ww。ここはいっそ、女子の使者を立てる方がいいと妙案を出しますが…立候補2人目として名乗りを上げたのが大蔵卿。めっちゃ行く気満々みたいですがwwこの人行かせると交渉がうまくまとまらないと直感してる幸村はスルーして初が適任だと告げます。初は徳川と豊臣のはざまにいる立場だから適任だと話しているのに「あの人は政に一切興味ないから!」と斬り捨ててあくまでも自分が行くと言って聞かない大蔵卿www。あんたそんなに交渉の場に行きたかったのか

しかし、結局決まったのは初のほうだったようでw、徳川にもその旨が知らされます。豊臣が女性を出してくるのであれば徳川からも女性を出さざるを得ない状況。これは先手を打った幸村の策が当たった感じですね。しかし、家康が使者にと思いついたのは…家康より怖い女・阿茶でした


大坂では乗り気ではない初をなんとか説得。なんと、却下したかった大蔵卿を不安だからと一緒に連れて行くことで納得したらしい



そこで幸村は阿茶を知っているというきりを初に同行させることに。本当は初ときりの二人に行かせたかったわけですが、行くと言って聞かない大蔵卿の圧しの強さに幸村もついに根負け

幸村に不安な気持ちを打ち明ける秀頼。そんな彼に「望みを捨てないものにだけ道は開ける」と説く幸村はカッコいい。この言葉はどんな場合でも、そして現代でも当てはまりますよね。こんな殿さまに託されたんだから、初さん頑張ってきて!!と思ったんですが…最初からおどおどしてる初に比べ阿茶の堂々たる振る舞いたるや…見るからに徳川有利っぽい雰囲気になってしまってる


阿茶の口からは茶々を人質に取らないとか、秀頼の領地はそのままでいいとか、危害は加えないとか・・・もう良いことずくめのオンパレードで逆に気味が悪いほどの好待遇がポンポン出てくる。さらには牢人も処罰しないとまで言ってくる。これ、疑わないほうがおかしいだろう!!この人の「あとは追々」ほど怖い言葉無いんだから!さすがに初も怪しいと思ってるわけですが、オドオドして想ってることをなかなか口にできない。代わりに大蔵卿がすっかり阿茶に取り込まれて「良いことずくめ!」と目をハートにして喜んでしまってるww。あかんわ、このおばはん

と、その時、阿茶の女狐っぷりを知っているきりは機転を利かせて「足が攣りましたぁぁ~~!!」とローリングリアクション付きでwその場の空気を変える。そして目で初に「今が発言のチャンス!」と訴えます。私、きりは未だに苦手キャラだけど、この時はホント、グッジョブ



きりのアシストでようやく発言権を得た初。牢人たちの処遇がまだはっきり決まっていないと反論。ここをしっかり決めてもらわないと牢人たちが路頭に迷ってしまう事になりかねません。すると阿茶は初にではなく、すっかり手の内に落ちた大蔵卿に「牢人たちがウロウロしてたらおちおち眠れないでしょう」とその心中をうまく突いてくる。本当に牢人たちを追い出したい大蔵卿は「そうなのです~~!!」と阿茶に同調

「真田丸があるから牢人たちはいつまでも居座るのです。真田丸は取り壊し、ついでにお堀も埋めてしまいましょう」
ここでそうきたのか~~~






このままいくとホントにヤバい!と察したきりは再び足が攣った芝居をして初に発言のチャンスを与える。今回はホントいい仕事してるぜ、きり





ということで、豊臣に一見するとめっちゃ好条件を出したうえで真田丸取り壊しと堀の埋め立てを承認させてしまおうという徳川の策略は見事に成功したのでした。これ実現させた阿茶さん、ほんと怖い女だな


意気揚々と和睦の条件が整った旨を報告する大蔵卿でしたが、あまりにも豊臣に都合がよすぎる内容に幸村たち(大蔵卿と有楽斎を除くw)は不安を隠し切れない。他にも何かあったはずだときりに確認しに行くと…堀を埋め立て真田丸を取り壊す内容が書いてないと指摘され顔面蒼白に




急いで駆け付けると…既に真田丸の取り壊しは始まっていて…。あ~~~…あの、興奮の勝利をもたらした「真田丸」がぁぁ~~!!

幸村だけでなく、見ている私たちもほんと絶句状態でしたよ



この件について大蔵卿を問い詰める幸村ですが、「私が許しました!!」と事の次第を全く理解できてないこの方はドヤ顔で応戦(苦笑)。堀が無くなれば牢人たちが出ていって一件落着って、ホントに信じてるようで。この人、本当に牢人が大坂城でうろつくの嫌でたまらなかったんだね

「母上は豊臣を潰すおつもりか…!!!」
という息子・治長の言葉に一瞬怯むも、自分の行為は間違っていないとばかりに
「すべては豊臣のためじゃぁ!」
と、聞く耳を持たない。且元が滅亡への足掛かりを作ったならば、大蔵卿は滅亡への大いなる手助けを施したってことになるわけですね。なんとももどかしい…。
事の次第にすっかり絶望してしまった幸村は策を考える気力すら失ってしまった。あんなに勝ちに執着していた幸村の口からは「もはや勝ち目はなくなった」という言葉が飛び出す。又兵衛は扉を蹴飛ばして倒してその苛立ちを表現。それを見て、さすが兄貴って思ってしまったのはここだけの話w。
城を枕に討死しようとせずにすぐ大坂城から立ち去るよう告げると早々にその場を立ち去ってしまう幸村。重苦しい空気の中、盛親や團右衛門ら数名は城から出ていこうとしますが・・・そこに待ったをかけたのはアニキ・又兵衛でした。無言で怒りを表現してましたが、又兵衛はまだ幸村のことを信じてるんですよね。作兵衛から聞いた言葉を彼は信じている。幸村は命を預けるに足る男なんだと。堀の無い城で戦うなんて「面白いじゃないか!」と言い放つ姿はまさに兄貴!!カッコいいです

戦えない状況となってすっかり意気消沈してしまった幸村は家族だけでも上田に帰そうとします。が、その時、アニキ率いる牢人衆や治房、重成らが幸村の元に大集結。
アニキ・又兵衛
「早く策を立ててくれよ!!俺たちはうずうずしてるんだっ!!」
全登
「私は、何のために九度山へ行ったのです!?」
盛親
「儂らはおぬしに従う!」
勝永
「考えろ!!どうすれば勝てるか、考えるんだ!!!」
重成
「あなたは勝つために、ここへ来られたのではないのですか?」
もうねぇ、この、皆の一言一言が熱くて温かくて…そしてそれに想いを新たにするかのように頷く幸村の表情が…見ていてものすごく泣けました



そしてさらに、幸村の元へ治長と共に秀頼もやって来る。
「私は、まだ望みを捨ててはいない!!」
この言葉で、幸村の心は決まりました。諦めない心は人をさらに強くする!再び戦いへの決意を奮い立たせた幸村の表情はすっかり戦闘モードに変わっていました。この表情の変化が、堺さんさすがだなと思いました。
非常に感動的でいいシーンでした

こんな固く熱く強い団結力のある豊臣、ホントに負ける気がしない。でも歴史は残酷なんだよね…。次回はかなり物騒なエピソードになりそうです。