今回の「真田丸」は何かが違う、と、放送前からSNSで公式さんが盛り上げていたので、見る前から期待が高まっていましたが…、そうか、そう来たか!と。いよいよクライマックスへ突入するための大きな分岐点と位置づけた第44回。それを際立たせるために演出さん考えましたね~。あれはテンション上がるわ。
オープニングはなく、いきなりストーリーから始まる手法。こういうのって、最終回ではよく見てたんだけどここで持ってくるとは思い切ったなと。44回は真田丸が出てくるって聞いてたので最後に持ってくることにしたんだなと悟りはしましたが、見る者に強くそれを印象付ける意味ではとても効果的だったと思います。
せっかく五人衆が一つにまとまって勝つために「討って出る」ことに決まったのに、茶々のツルの一声で秀頼の気持ちが揺らいでしまい結局「籠城」策が確定してしまったため又兵衛や勝永たちの落胆は大きい。彼らがショックなのは秀頼が自分たちをまだ信じ切ってくれていないことなんだよね。秀頼には本当に早く腹をくくってほしいわ~と思ってしまった。
豊臣方が「籠城」策を取ることは間もなく家康の耳にも入ることに。その知らせを聞いて一言「勝ったな」と勝利を確信する家康ですが、この時の演じてる内野さんの微妙な表情がすごく印象的でした。大っぴらにほくそ笑むわけでもなく、ただ静かに事実を飲み込んだって感じ。コミカルなところも見せつつこういった重厚さも見せるところはほんと巧いなと思います。
難攻不落とうたわれる大坂城の唯一の弱点が南側にあると見抜いた幸村はそこに出城を立てることを計画。策を練る幸村の表情は生き生きとしてまるで水を得た魚のようです。これまでも様々なアイディアを出してきた幸村だけど、自分が中心となって本格的に動くのはたぶんこれが初めて。演じてる堺さんの目も爛々としてたし、あぁ、源次郎はようやく自分の本当の居場所見つけたのかなって思いました。
そんな時、作兵衛が幸村のもとに到着。すえが祝言を挙げたことや、源三郎は江戸に残り彼の息子たちが徳川方として出兵したことを伝えます。兄の息子と敵対しなければならなくなった現実に複雑な思いを抱きつつも、幸村は「それも仕方のないこと」と腹をくくり前を向いていた。信之が弟が豊臣方についたと聞いてひどく動揺していたのとは対照的に見えました。「源次郎には心置きなく戦ってほしい」という兄心を幸村が知ったら果たしてどう思うんだろうかとふと考えてしまった…。
治長に出城の件を相談すると、すでに又兵衛も同じ場所に陣を張ろうと考えていたことが判明。何とか出城作戦を貫きたい幸村は又兵衛を説得することにしました。 以前とは打って変わって幸村に心を開いて友好的な又兵衛さん、よかったわ~。緻密な計算のもと計画された出城の話を幸村から聞いて、あまりの抜け目のなさに笑うしかない又兵衛。こういう説明セリフ、堺さん本当に魅力的なんですよね~~。なんかこう、聴き入っちゃう。説得力がハンパなく強い。
又兵衛の説得ができたところで五人衆の他の仲間にも出城作戦について丁寧かつ正確に伝える幸村。 あの説明聞いたら本当に負ける気がしないと思えるからすごい。
ところが、幸村の案を真っ向から否定してかかったのは・・・上層部にいる有楽斎と大蔵卿でした。前回治長が幸村たちに調略されたような形で反旗を翻すようなことになりましたから、めっきり覚えが悪くなってる(苦笑)。秀頼本人が幸村案を気に入っても、有楽斎と大蔵卿はいまだに牢人たちを信用していない。特に出城を守る幸村に対しての嫌悪感はすさまじく、「裏切られたら大変だ!」とせっかくの図面をぐしゃぐしゃに丸めてしまう大蔵卿。
そんな母の暴挙を見て口あんぐりで驚愕するしかない息子・治長。今井さんのあの表情は面白かったw。
で、新しく布陣を上層部だけで作り直したようですが…五人衆の名前がどこにも見当たらない。豊臣譜代の者だけで固められた感じになっていて、幸村肝入りの南側の出城もその図面からは消されていました…。あれじゃあ、勝てる気がしないわ。
全く自分たちが信用されていないということに腹を据えかねた勝永たちが城を出て徳川の方に行くと言い出すのも自然な流れ。気持ちすごく分かるし。バテレンさん(全登さんは又兵衛からこう呼ばれるようになってましたw)だけはキリシタンを禁じた徳川に行けない事情があって残らざるを得ない状況。もうみんなバラバラ…。せっかく一つにまとまった五人衆だったのに。
それでも幸村は豊臣につく意思は変わらない。そのためには何としても又兵衛たちの力が必要です。彼らを引き留めるために幸村はついに茶々のもとへ直談判に行くことに。頼りになるぜ、源次郎。
ところが・・・
城全体が戦支度をして緊迫しているというのに茶々は幸村が訪れてくれたことを無邪気に喜び、カルタに誘います。なんとも浮世離れしているというか…そんなところがやたら不気味な「真田丸」の茶々。カルタと言えば…源次郎が秀吉に伴われて茶々と大蔵卿の4人でやったあの日を思い出します。まだ大坂城に入って間もなかった源次郎はあの雰囲気にのみこまれて完全に押されてましたが、今回は茶々に対して強気に攻めてましたね。そりゃそうだよ、勝つか負けるか…生きるか死ぬかって時だもの。
それでも茶々は未だに事の重大さを飲み込んでいない…というかあえて首を突っ込まないようにしている風にも見える。幸村のことだけは信頼しているようで出城も許可しようとしますが、他の牢人たちは決して信じようとしない。彼らを加えるならば出城の話は許さないと、その部分だけは揺るぎません。彼女、彼らにちゃんと会ってないよね?会おうともしない。ただ息子を危ない面に出したくないだけ…。こういう人が上にいると、本当に実働部隊となる下の者は難儀するよなぁ。
茶々の説得に失敗して肩を落とす幸村でしたが、そうなることを読んでいた治長は 「腹はくくった!戦をされるのはそちらだ。思うようにされよ」と出城を造ることを許可してくれました。頼もしいぞ、治長!!彼は軍議で牢人たちの本気を肌で感じてたしね。
ということで、ついに出城作りに着手できた幸村たち。あのタイミングはギリギリだったよね。もう少しその判断遅れてたらと思うと…恐ろしいわ。 城造りと共に幸村が指示したのが鎧をそろえることです。
「色は武田の武勇の証である赤を!!」
おお!!!ついに来るのね、真田の赤備えの甲冑が !!
京では良かれと思って早めに家康のもとに到着した秀忠が「いつまでも関ヶ原を引きずるな!!」と逆に叱られる羽目に。関ヶ原で秀忠が遅刻したっていうのはこれまでの歴史ドラマで散々描かれてきたけど、「真田丸」では関ヶ原はあっという間に終わっちゃったし、秀忠は遅刻しそうになるみたいな焦りを見せてなかったこともあってあまり実感ないんですよね。「あれ?秀忠って遅刻してたの?」みたいな感覚です、この大河に関しては(苦笑)。
同じころ、真田の陣まであと一息のところまで来ていた松さん。信之の伝言を伝えるため綱家と共に旅をしてきた様子。信之の伝言を律儀に守ろうとしてる姿勢を見て初めて松さんに共感できたかも。しかしあと一歩のところでどう近づいていいのかが課題。そこで出会ったのがなんと…
出雲阿国さんじゃないですかっ!!
今回OPが最初になかったせいで誰が出てくるか分からなかったので、いきなりシルビアさん再登場してビックリしたよwww。「丹田!」とか懐かしかったよ。
松さんのことはほとんど覚えていないみたいだったから別人?って思ったけど、どうやら後継者(娘?)で2代目の出雲阿国だったみたい。これから徳川の陣へ行くという一座に加えてもらうことを思いついた松さん。一応、踊りもやったんですかねw←へたくそだっただろうけどw。
無事に真田の陣にたどり着いた松は信之の「決して真田同士で刃を向け合ってはならぬ」という伝言を伝えます。戦が始まったら前線へ行かずに後ろで控えジッとしているように…という言葉に我慢がならなかったのが信政でした。兄さんと違って戦準備に余念がなかったからねぇ…そりゃ不満だって気持ちも分かる。だけど、お父さんの切なる気持ちも分かってあげてって思ってしまう。逆に嫡男の信吉はもともと戦に出ることには消極的だったこともあり素直に父の言葉に従うことを決意。内心ほっとした部分も大きかったのでは。兄弟対照的だよね、ほんと。納得できない信政は苛立ちからその場を去ってしまいました。
その頃信之は「思えば今までの人生は耐えてばかりだった」とお通さんに告白してます。「そなたの前では素直になれる」とか言っちゃってるけど、これって、不穏なものを感じるんですが。信之さんはお通さんに想いを寄せてたかもっていう資料もあるらしいのでこのシーンが出てきたようですが、正直、この回にこの展開いるかなぁって思ってしまった。お通さんって今後物語に絡んでくるんでしょうか??なんかここだけ微妙だった…。
着々と築城する幸村のもとには作兵衛が鎧の赤の色を確認にやってくる。そのモルモットにされている与八くん、お気の毒に。しかも幸村からは「沢蟹みたいだった」とか言われちゃうし散々ww。さらに赤く塗るように言われてしまい彼の苦労はまだまだ続く。
しかし、運悪く有楽斎と鉢合わせしてしまう与八。幸村と上層部のごたごたなど知る由もない彼は出城を作っているのが真田であることをあっさり教えてしまいます。与八君は悪くないよ、うん。運が悪かったんだよ。真田が出城を作っているという話はすぐに秀頼たちの耳に届きます。「勝っ手に出城作るなどとんでもない!」と憤慨する有楽斎や大蔵卿。秀頼としては幸村のことは信じたい気持ちが強いものの、他の牢人たちに対する思いは複雑なようです。幸村以外とはあまり面識なさそうだし、不安に思う気持ちは分からなくもない。だけど、もう少ししっかり自分の意見も言ってほしい気がするよ、秀頼。
結局秀頼は出城を造る許可をはっきり出すことはできなかったようで、幸村のもとに作業を中断するよう有楽斎と治長が訪れる。「大野殿は許したのか?」と問われた治長は「何のことでしょう!?」と信じられない反応。治長、おまえ、自分が責任もって許可する・・・みたいなこと言ってたじゃないか!あ、責任は持ってなかったのか(苦笑)。圧力の前では治長の決断も無力だったというわけですね。
あまりにも自分たちが信用されていないということに嫌気がさした又兵衛や勝永はとうとう本気で城を抜けると言い出した。無理もないわ…あそこまで信用されてなきゃ豊臣のために戦う気力湧かないよねぇ。一緒に来ないか誘われる幸村ですが、そんな彼らに
「豊臣を見捨てることはできぬ」
とあくまでも豊臣に残る意思を示します。幸村はどんなに理不尽な目に遭おうとも今の自分の居場所は豊臣方にしかありえないと腹をくくっているんですよね。その固い決意に二人とも言葉がない…。そんな幸村をもう一人見つめていたのが秀頼でした。突然の殿様の来訪に驚きかしこまる3人でしたが、秀頼が櫓の方に進むとなにやらその後ろに不穏な空気w。
幸村と勝永はしっかり跪いているのに対し、又兵衛は秀頼と一緒にやってきた大野兄弟にガン飛ばしてましてwwww。治長はその迫力にビビって横へ逸れましたがw、武闘派っぽい弟の治房はしっかりその挑戦を受けて自分もガン飛ばしてますねww。二人の間にバチバチと火花が散ってる・・・て、おまえら、殿様の後ろで何やってんだよwwww。ここは笑いましたw。
自分の後ろで静かな火花が散っているとは知らない秀頼は、改めて幸村に「豊臣を見捨てないというのは真か」と尋ねます。幸村の口からじかにその言葉を聞いて確かめたかった秀頼…。幸村はハッキリと秀吉に誓ったと告げます。幸村の豊臣に対する堅い忠誠心を確信した秀頼は自らの意思で出城を造ることを認めます。
「私は、そなたらを信じておる!」
秀頼の揺らいだ気持ちもはっきり固まったようです。幸村だけではなく、自分たちのために戦う牢人たちを信じようとこの時初めて思ったんでしょうね。やはりこうして直接確認することって大切。その言葉に勇気を得た幸村たちは改めて秀頼のために戦うことを決意。ここはとても良いシーンだったと思います。
牢人たちを信じることを決めた秀頼は母親にそのことを告げます。反対されても「この城の主は私」とその決意は変わらない。毅然として出ていく息子の背中を茶々は複雑な思いで見送りつつもどこかホッとしたような笑顔を見せていたのが印象的でした。きっと、自分に逆らってまで自分の意見を通した息子の成長が心のどこかで嬉しかったのかもしれないなと思いました。やっぱり茶々は母親なんだよね。
着々と出城造りが進む中、幸村たちは徳川勢の中に上杉がいることに衝撃を受けます。「まさかこのような形で再会することになろうとは」という幸村の言葉が切ない…。父とも慕う御屋形様が敵方にいるんだもんね…。
その頃徳川の陣に集まってきた諸将のなかに景勝たちも交じっている。伊達さんは何だか前と雰囲気変わりましたね。なんか、独眼竜政宗の雰囲気に近くなってる気がした。政宗は隣に座っていた景勝に豊臣方の中に真田がいることを告げます。ただでさえこの戦いに参陣することに消極的だったっぽい景勝は大きなショックを受ける…。
あ~~~、御屋形様、辛いよねぇぇ~~~~。息子と慕う源次郎が敵方にいるなんて…。戦いたくなんかないよねぇぇ。見ているこちらも辛いわ~~~。政宗は「愚か者ですな」と言ってましたが、その言葉も多分御屋形様の耳には入ってないだろうね。
そして家康の陣の中にはロマンスグレーになった兼続さんの姿も…!彼もまた、源次郎と戦場で敵対しなければならない現実を複雑な思いで受け止めているんだろうか…。その心の内が知りたい…!!
でも、でも、「真田丸」では上杉主従本当に久しぶりの登場だったから、そこの部分は嬉しかったです!!村上さんはトークショーとかでお会いできてたんだけど、やっぱりこう、役者・村上新悟の姿も見たかったんで。たとえセリフはなくとも、こうして画面の中で役者してる新悟くんの姿を見れたのはとても嬉しかった。次回の登場も大いに期待してます(展開的には切ないものになりそうだけど…)。
いよいよ闘いの時が迫り、大坂城内もあわただしくなってくる。治房に守りの指示を与えるも言葉はなくグッと睨まれたような形になったのを見て又兵衛は「睨まれてるぞ」と忠告しますが、「ああいう顔なんだそうだ」と幸村は返す(笑)。そう、治房さんはたぶんあのとき目で「ガッテンだ!!」と答えていたに違いないw。
木札で自己アピールしていた團右衛門さんも参陣!この戦で名を挙げて大名になるのが夢なんだそう。なんかその夢かなえてあげたくなるような可愛さもあるんだよね、團右衛門。幸村の息子の大輔にも名札代わりの木札渡してるのも可愛かったw。
一方、周りが戦支度する中「ミサがあるから」と祈りの準備に忙しくしているのがバテレンさんこと全登さん。あまりの意外性に又兵衛さんも言葉を失っていましたがw、目を丸くする息子・大助に幸村は「キリシタンの兵はすこぶる強い。死を恐れないからだ」と教えます。幸村だけは冷静に全登の兵を分析していましたね。さすがです。
そして、幸村の赤い兜もついに完成。戦いの足音がいよいよ近づいてきました!
数的には優位に立っている徳川勢ですが、戦を経験した人が少ないのが悩み。戦場の「仕寄せ」の作り方もままならずで家康の苛立ちも増している様子。そんな時、家康のもとに豊臣の布陣を知らせる手紙が届きます。が…紙が小さいので、それに伴って文字も相当小さいwww。お年寄りになった家康にはこれは読みづらいわ。で、出城の存在に気付くのですが、そこを守るのが「真田」だと知って驚愕。またしても家康の前に「真田」が現れることになるわけですからね。トラウマっぽくなってるわけですから、この出城に対する家康の執念は今後すごいものになりそうな予感がします。
そしてついに出城が完成!!「ようやく城持ちになった」という幸村の言葉が重い。そして、真っ赤な六文銭の旗が一気に掲げられる!!その景色はまさに壮観で見ていてゾクゾクしました!!!
幸村は内記から出城の名前を問われる。
その名前は既に幸村の中で決まっている。
「決まってるだろう…!真田丸よ!!」
ここでOP(しかも効果音入り)入りました!!!!
いやぁ~~、こう来るだろうと予測はしてましたが、実際に見るとほんとカッコよかった。満を持してタイトルの「真田丸」を幸村の口から飛び出す。その言葉と呼応するようにそのテーマ曲が鳴り響く。まるで映画のエンディングのような演出が見事でした。
というわけで、次回からついに大型ロケで撮影したという大坂冬の陣が始まるようです。やっとロケの壮大な映像が見られるよ!!個人的には上杉主従に注目したいです。三谷さんは冬の陣で幸村と対した景勝をエンケンさんで見たいってキャスティングしたと聞いているので。切ないものになりそうだけど、すごく期待してます。もちろん村上兼続も。
オープニングはなく、いきなりストーリーから始まる手法。こういうのって、最終回ではよく見てたんだけどここで持ってくるとは思い切ったなと。44回は真田丸が出てくるって聞いてたので最後に持ってくることにしたんだなと悟りはしましたが、見る者に強くそれを印象付ける意味ではとても効果的だったと思います。
せっかく五人衆が一つにまとまって勝つために「討って出る」ことに決まったのに、茶々のツルの一声で秀頼の気持ちが揺らいでしまい結局「籠城」策が確定してしまったため又兵衛や勝永たちの落胆は大きい。彼らがショックなのは秀頼が自分たちをまだ信じ切ってくれていないことなんだよね。秀頼には本当に早く腹をくくってほしいわ~と思ってしまった。
豊臣方が「籠城」策を取ることは間もなく家康の耳にも入ることに。その知らせを聞いて一言「勝ったな」と勝利を確信する家康ですが、この時の演じてる内野さんの微妙な表情がすごく印象的でした。大っぴらにほくそ笑むわけでもなく、ただ静かに事実を飲み込んだって感じ。コミカルなところも見せつつこういった重厚さも見せるところはほんと巧いなと思います。
難攻不落とうたわれる大坂城の唯一の弱点が南側にあると見抜いた幸村はそこに出城を立てることを計画。策を練る幸村の表情は生き生きとしてまるで水を得た魚のようです。これまでも様々なアイディアを出してきた幸村だけど、自分が中心となって本格的に動くのはたぶんこれが初めて。演じてる堺さんの目も爛々としてたし、あぁ、源次郎はようやく自分の本当の居場所見つけたのかなって思いました。
そんな時、作兵衛が幸村のもとに到着。すえが祝言を挙げたことや、源三郎は江戸に残り彼の息子たちが徳川方として出兵したことを伝えます。兄の息子と敵対しなければならなくなった現実に複雑な思いを抱きつつも、幸村は「それも仕方のないこと」と腹をくくり前を向いていた。信之が弟が豊臣方についたと聞いてひどく動揺していたのとは対照的に見えました。「源次郎には心置きなく戦ってほしい」という兄心を幸村が知ったら果たしてどう思うんだろうかとふと考えてしまった…。
治長に出城の件を相談すると、すでに又兵衛も同じ場所に陣を張ろうと考えていたことが判明。何とか出城作戦を貫きたい幸村は又兵衛を説得することにしました。 以前とは打って変わって幸村に心を開いて友好的な又兵衛さん、よかったわ~。緻密な計算のもと計画された出城の話を幸村から聞いて、あまりの抜け目のなさに笑うしかない又兵衛。こういう説明セリフ、堺さん本当に魅力的なんですよね~~。なんかこう、聴き入っちゃう。説得力がハンパなく強い。
又兵衛の説得ができたところで五人衆の他の仲間にも出城作戦について丁寧かつ正確に伝える幸村。 あの説明聞いたら本当に負ける気がしないと思えるからすごい。
ところが、幸村の案を真っ向から否定してかかったのは・・・上層部にいる有楽斎と大蔵卿でした。前回治長が幸村たちに調略されたような形で反旗を翻すようなことになりましたから、めっきり覚えが悪くなってる(苦笑)。秀頼本人が幸村案を気に入っても、有楽斎と大蔵卿はいまだに牢人たちを信用していない。特に出城を守る幸村に対しての嫌悪感はすさまじく、「裏切られたら大変だ!」とせっかくの図面をぐしゃぐしゃに丸めてしまう大蔵卿。
そんな母の暴挙を見て口あんぐりで驚愕するしかない息子・治長。今井さんのあの表情は面白かったw。
で、新しく布陣を上層部だけで作り直したようですが…五人衆の名前がどこにも見当たらない。豊臣譜代の者だけで固められた感じになっていて、幸村肝入りの南側の出城もその図面からは消されていました…。あれじゃあ、勝てる気がしないわ。
全く自分たちが信用されていないということに腹を据えかねた勝永たちが城を出て徳川の方に行くと言い出すのも自然な流れ。気持ちすごく分かるし。バテレンさん(全登さんは又兵衛からこう呼ばれるようになってましたw)だけはキリシタンを禁じた徳川に行けない事情があって残らざるを得ない状況。もうみんなバラバラ…。せっかく一つにまとまった五人衆だったのに。
それでも幸村は豊臣につく意思は変わらない。そのためには何としても又兵衛たちの力が必要です。彼らを引き留めるために幸村はついに茶々のもとへ直談判に行くことに。頼りになるぜ、源次郎。
ところが・・・
城全体が戦支度をして緊迫しているというのに茶々は幸村が訪れてくれたことを無邪気に喜び、カルタに誘います。なんとも浮世離れしているというか…そんなところがやたら不気味な「真田丸」の茶々。カルタと言えば…源次郎が秀吉に伴われて茶々と大蔵卿の4人でやったあの日を思い出します。まだ大坂城に入って間もなかった源次郎はあの雰囲気にのみこまれて完全に押されてましたが、今回は茶々に対して強気に攻めてましたね。そりゃそうだよ、勝つか負けるか…生きるか死ぬかって時だもの。
それでも茶々は未だに事の重大さを飲み込んでいない…というかあえて首を突っ込まないようにしている風にも見える。幸村のことだけは信頼しているようで出城も許可しようとしますが、他の牢人たちは決して信じようとしない。彼らを加えるならば出城の話は許さないと、その部分だけは揺るぎません。彼女、彼らにちゃんと会ってないよね?会おうともしない。ただ息子を危ない面に出したくないだけ…。こういう人が上にいると、本当に実働部隊となる下の者は難儀するよなぁ。
茶々の説得に失敗して肩を落とす幸村でしたが、そうなることを読んでいた治長は 「腹はくくった!戦をされるのはそちらだ。思うようにされよ」と出城を造ることを許可してくれました。頼もしいぞ、治長!!彼は軍議で牢人たちの本気を肌で感じてたしね。
ということで、ついに出城作りに着手できた幸村たち。あのタイミングはギリギリだったよね。もう少しその判断遅れてたらと思うと…恐ろしいわ。 城造りと共に幸村が指示したのが鎧をそろえることです。
「色は武田の武勇の証である赤を!!」
おお!!!ついに来るのね、真田の赤備えの甲冑が !!
京では良かれと思って早めに家康のもとに到着した秀忠が「いつまでも関ヶ原を引きずるな!!」と逆に叱られる羽目に。関ヶ原で秀忠が遅刻したっていうのはこれまでの歴史ドラマで散々描かれてきたけど、「真田丸」では関ヶ原はあっという間に終わっちゃったし、秀忠は遅刻しそうになるみたいな焦りを見せてなかったこともあってあまり実感ないんですよね。「あれ?秀忠って遅刻してたの?」みたいな感覚です、この大河に関しては(苦笑)。
同じころ、真田の陣まであと一息のところまで来ていた松さん。信之の伝言を伝えるため綱家と共に旅をしてきた様子。信之の伝言を律儀に守ろうとしてる姿勢を見て初めて松さんに共感できたかも。しかしあと一歩のところでどう近づいていいのかが課題。そこで出会ったのがなんと…
出雲阿国さんじゃないですかっ!!
今回OPが最初になかったせいで誰が出てくるか分からなかったので、いきなりシルビアさん再登場してビックリしたよwww。「丹田!」とか懐かしかったよ。
松さんのことはほとんど覚えていないみたいだったから別人?って思ったけど、どうやら後継者(娘?)で2代目の出雲阿国だったみたい。これから徳川の陣へ行くという一座に加えてもらうことを思いついた松さん。一応、踊りもやったんですかねw←へたくそだっただろうけどw。
無事に真田の陣にたどり着いた松は信之の「決して真田同士で刃を向け合ってはならぬ」という伝言を伝えます。戦が始まったら前線へ行かずに後ろで控えジッとしているように…という言葉に我慢がならなかったのが信政でした。兄さんと違って戦準備に余念がなかったからねぇ…そりゃ不満だって気持ちも分かる。だけど、お父さんの切なる気持ちも分かってあげてって思ってしまう。逆に嫡男の信吉はもともと戦に出ることには消極的だったこともあり素直に父の言葉に従うことを決意。内心ほっとした部分も大きかったのでは。兄弟対照的だよね、ほんと。納得できない信政は苛立ちからその場を去ってしまいました。
その頃信之は「思えば今までの人生は耐えてばかりだった」とお通さんに告白してます。「そなたの前では素直になれる」とか言っちゃってるけど、これって、不穏なものを感じるんですが。信之さんはお通さんに想いを寄せてたかもっていう資料もあるらしいのでこのシーンが出てきたようですが、正直、この回にこの展開いるかなぁって思ってしまった。お通さんって今後物語に絡んでくるんでしょうか??なんかここだけ微妙だった…。
着々と築城する幸村のもとには作兵衛が鎧の赤の色を確認にやってくる。そのモルモットにされている与八くん、お気の毒に。しかも幸村からは「沢蟹みたいだった」とか言われちゃうし散々ww。さらに赤く塗るように言われてしまい彼の苦労はまだまだ続く。
しかし、運悪く有楽斎と鉢合わせしてしまう与八。幸村と上層部のごたごたなど知る由もない彼は出城を作っているのが真田であることをあっさり教えてしまいます。与八君は悪くないよ、うん。運が悪かったんだよ。真田が出城を作っているという話はすぐに秀頼たちの耳に届きます。「勝っ手に出城作るなどとんでもない!」と憤慨する有楽斎や大蔵卿。秀頼としては幸村のことは信じたい気持ちが強いものの、他の牢人たちに対する思いは複雑なようです。幸村以外とはあまり面識なさそうだし、不安に思う気持ちは分からなくもない。だけど、もう少ししっかり自分の意見も言ってほしい気がするよ、秀頼。
結局秀頼は出城を造る許可をはっきり出すことはできなかったようで、幸村のもとに作業を中断するよう有楽斎と治長が訪れる。「大野殿は許したのか?」と問われた治長は「何のことでしょう!?」と信じられない反応。治長、おまえ、自分が責任もって許可する・・・みたいなこと言ってたじゃないか!あ、責任は持ってなかったのか(苦笑)。圧力の前では治長の決断も無力だったというわけですね。
あまりにも自分たちが信用されていないということに嫌気がさした又兵衛や勝永はとうとう本気で城を抜けると言い出した。無理もないわ…あそこまで信用されてなきゃ豊臣のために戦う気力湧かないよねぇ。一緒に来ないか誘われる幸村ですが、そんな彼らに
「豊臣を見捨てることはできぬ」
とあくまでも豊臣に残る意思を示します。幸村はどんなに理不尽な目に遭おうとも今の自分の居場所は豊臣方にしかありえないと腹をくくっているんですよね。その固い決意に二人とも言葉がない…。そんな幸村をもう一人見つめていたのが秀頼でした。突然の殿様の来訪に驚きかしこまる3人でしたが、秀頼が櫓の方に進むとなにやらその後ろに不穏な空気w。
幸村と勝永はしっかり跪いているのに対し、又兵衛は秀頼と一緒にやってきた大野兄弟にガン飛ばしてましてwwww。治長はその迫力にビビって横へ逸れましたがw、武闘派っぽい弟の治房はしっかりその挑戦を受けて自分もガン飛ばしてますねww。二人の間にバチバチと火花が散ってる・・・て、おまえら、殿様の後ろで何やってんだよwwww。ここは笑いましたw。
自分の後ろで静かな火花が散っているとは知らない秀頼は、改めて幸村に「豊臣を見捨てないというのは真か」と尋ねます。幸村の口からじかにその言葉を聞いて確かめたかった秀頼…。幸村はハッキリと秀吉に誓ったと告げます。幸村の豊臣に対する堅い忠誠心を確信した秀頼は自らの意思で出城を造ることを認めます。
「私は、そなたらを信じておる!」
秀頼の揺らいだ気持ちもはっきり固まったようです。幸村だけではなく、自分たちのために戦う牢人たちを信じようとこの時初めて思ったんでしょうね。やはりこうして直接確認することって大切。その言葉に勇気を得た幸村たちは改めて秀頼のために戦うことを決意。ここはとても良いシーンだったと思います。
牢人たちを信じることを決めた秀頼は母親にそのことを告げます。反対されても「この城の主は私」とその決意は変わらない。毅然として出ていく息子の背中を茶々は複雑な思いで見送りつつもどこかホッとしたような笑顔を見せていたのが印象的でした。きっと、自分に逆らってまで自分の意見を通した息子の成長が心のどこかで嬉しかったのかもしれないなと思いました。やっぱり茶々は母親なんだよね。
着々と出城造りが進む中、幸村たちは徳川勢の中に上杉がいることに衝撃を受けます。「まさかこのような形で再会することになろうとは」という幸村の言葉が切ない…。父とも慕う御屋形様が敵方にいるんだもんね…。
その頃徳川の陣に集まってきた諸将のなかに景勝たちも交じっている。伊達さんは何だか前と雰囲気変わりましたね。なんか、独眼竜政宗の雰囲気に近くなってる気がした。政宗は隣に座っていた景勝に豊臣方の中に真田がいることを告げます。ただでさえこの戦いに参陣することに消極的だったっぽい景勝は大きなショックを受ける…。
あ~~~、御屋形様、辛いよねぇぇ~~~~。息子と慕う源次郎が敵方にいるなんて…。戦いたくなんかないよねぇぇ。見ているこちらも辛いわ~~~。政宗は「愚か者ですな」と言ってましたが、その言葉も多分御屋形様の耳には入ってないだろうね。
そして家康の陣の中にはロマンスグレーになった兼続さんの姿も…!彼もまた、源次郎と戦場で敵対しなければならない現実を複雑な思いで受け止めているんだろうか…。その心の内が知りたい…!!
でも、でも、「真田丸」では上杉主従本当に久しぶりの登場だったから、そこの部分は嬉しかったです!!村上さんはトークショーとかでお会いできてたんだけど、やっぱりこう、役者・村上新悟の姿も見たかったんで。たとえセリフはなくとも、こうして画面の中で役者してる新悟くんの姿を見れたのはとても嬉しかった。次回の登場も大いに期待してます(展開的には切ないものになりそうだけど…)。
いよいよ闘いの時が迫り、大坂城内もあわただしくなってくる。治房に守りの指示を与えるも言葉はなくグッと睨まれたような形になったのを見て又兵衛は「睨まれてるぞ」と忠告しますが、「ああいう顔なんだそうだ」と幸村は返す(笑)。そう、治房さんはたぶんあのとき目で「ガッテンだ!!」と答えていたに違いないw。
木札で自己アピールしていた團右衛門さんも参陣!この戦で名を挙げて大名になるのが夢なんだそう。なんかその夢かなえてあげたくなるような可愛さもあるんだよね、團右衛門。幸村の息子の大輔にも名札代わりの木札渡してるのも可愛かったw。
一方、周りが戦支度する中「ミサがあるから」と祈りの準備に忙しくしているのがバテレンさんこと全登さん。あまりの意外性に又兵衛さんも言葉を失っていましたがw、目を丸くする息子・大助に幸村は「キリシタンの兵はすこぶる強い。死を恐れないからだ」と教えます。幸村だけは冷静に全登の兵を分析していましたね。さすがです。
そして、幸村の赤い兜もついに完成。戦いの足音がいよいよ近づいてきました!
数的には優位に立っている徳川勢ですが、戦を経験した人が少ないのが悩み。戦場の「仕寄せ」の作り方もままならずで家康の苛立ちも増している様子。そんな時、家康のもとに豊臣の布陣を知らせる手紙が届きます。が…紙が小さいので、それに伴って文字も相当小さいwww。お年寄りになった家康にはこれは読みづらいわ。で、出城の存在に気付くのですが、そこを守るのが「真田」だと知って驚愕。またしても家康の前に「真田」が現れることになるわけですからね。トラウマっぽくなってるわけですから、この出城に対する家康の執念は今後すごいものになりそうな予感がします。
そしてついに出城が完成!!「ようやく城持ちになった」という幸村の言葉が重い。そして、真っ赤な六文銭の旗が一気に掲げられる!!その景色はまさに壮観で見ていてゾクゾクしました!!!
幸村は内記から出城の名前を問われる。
その名前は既に幸村の中で決まっている。
「決まってるだろう…!真田丸よ!!」
ここでOP(しかも効果音入り)入りました!!!!
いやぁ~~、こう来るだろうと予測はしてましたが、実際に見るとほんとカッコよかった。満を持してタイトルの「真田丸」を幸村の口から飛び出す。その言葉と呼応するようにそのテーマ曲が鳴り響く。まるで映画のエンディングのような演出が見事でした。
というわけで、次回からついに大型ロケで撮影したという大坂冬の陣が始まるようです。やっとロケの壮大な映像が見られるよ!!個人的には上杉主従に注目したいです。三谷さんは冬の陣で幸村と対した景勝をエンケンさんで見たいってキャスティングしたと聞いているので。切ないものになりそうだけど、すごく期待してます。もちろん村上兼続も。