
徳川軍として参陣した信之の息子2人ですが、その振る舞い方は対照的。弟の信政は来るべき時に備えて剣術稽古に余念がありませんが、兄の信吉は「まだ戦も始まってないのに」と水を飲んで休憩するばかり。なんか移動しただけで疲れちゃったみたいなお兄ちゃん

それにしても三十郎は凛々しくなりましたね~。信政の稽古をつけている様はデキる武将そのものに見えたぞ


その頃、信之は姉の松に息子たちの後を追いかけてほしいと頼み込んでいました。源次郎が豊臣方に参戦したことを知り、なんとしても自分の息子たちと鉢合わせにしたくないという一心…まさに親心。しかし、本当の信之の想いは「源次郎に思い切り戦ってほしい」という兄としての切なる願いでした


それにしても、松さんはちゃんとそれを伝える役目を果たせるんでしょうか?なんか心配だよなぁ…。っていうか、きりと同じく私、あの、松の現代風喋りにも未だに違和感ありまくりなんで全然感情移入できないんですよ(苦笑)。ホント、今回の女性キャラは…はぁぁ…

その頃家康は片桐且元と面会。いやぁ、内野さんの家康、見事な老けっぷりと貫禄ですね!!阿茶さんさえいなければホント、内野家康の迫力は盤石ですよw。体を大きくする役作りは途中で疲れちゃったらしいですが(草刈さん談w)、それでもあの風貌を出せるのはホント凄いと思います。
家康の狙いは且元の調略。調略と言えば信尹叔父上だと思うんですがw…信尹さんは徳川に今居るんですかね?そろそろ戻っていてもいいような気がするんですが…。栗原さんがSNSでいつも顔出してくださってるんで常に存在は感じられてるんですけど(←これもある意味すごいよ 笑)、やっぱり姿をそろそろ見たい。
さも、自分は片桐の味方だからねと親身になって近づく家康。人たらし的なところは秀吉に似てきた?豊臣方の内情を探ろうとさりげなく兵糧のたくわえ事情を聴きだそうとしますが、破門されたような形とはいえ心はまだ豊臣に残している且元はなかなか口を割ろうとしません。家康が巧いのは、そんな且元を予測していたかのようにさも「言いたくない気持ちは痛いほどわかるよ」って感じに「さすが忠義の男!」と逆に褒めてしまうところ。言わないと痛い目に遭うぞみたいな押しの一手ではなく、言いたくなかったら言わなくていいしそこが良い…と引くんですよね。
この家康の態度を見た且元はついに大坂城の兵糧事情を話してしまうのです。豊臣にはもう自分の居場所はないし、生き抜くためにはもうここで堕ちるしかないって観念したんだろうね。だけど秀頼への忠義心は消えていないわけでその罪悪感たるや想像以上のものがあったと思います

家康の調略にはまったと、たぶん自覚もあったと思う。それでも話してしまった罪悪感。且元さんの表情見てたらこちらの方が胃が痛くなってきちゃうよ


同じころ、茶々は武器庫に幸村を呼び出します。武器庫のシーンと言えば…思い出されるのが「初恋」回ですね。秀吉に黙って二人きりで武器庫に入って茶々は源次郎に自らの本音を話し誘惑していました。その姿に源次郎はドギマギしちゃって、危うく道ならぬ恋に入るとこだったなんていうのがあったなw

あの時と同じように茶々は幸村に寄り添い「自分の愛した人たちはこの世に未練を残して死にました」と誘惑してくる。茶々の幸村に対する想いはあの頃と変わっていない様子。しかし彼女の怖いのは「愛した人たち」の中に秀吉が含まれていないことです。さりげなくそれを幸村に伝えたシーンはゾクっとしました。そうじゃないかとは思ってはいたけどこうもハッキリ意思表示されると恐ろしいものがあります

「自分はどうなってもいいから秀頼を死なせないで」と幸村に懇願する茶々。心がなかなか読めない茶々ですが、「秀頼を死なせたくない」という想いだけは真実だと思います。幸村にだけは本心を明かし甘えてくる茶々。かつてはその行動に危うく呑み込まれそうになった幸村でしたが、今はその感情に流されることはないようでホッとしました

軍議の前に何やら裏工作の香りがプンプン漂うある一室…
。大蔵卿が息子の治長に「牢人たちの意のままになってはいけない」とやたら釘を刺しまくってて怖い
。顔ではニコニコしながらも「軍議での主導権はこっちにあるから」と不敵な言葉で威圧する有楽斎も恐ろしい
。なにこれ、脅迫!??ってくらいのどす黒さ
。
そんな裏工作が行われているとは知らない幸村は父・昌幸の教えを思い出し何やら妙案を思いついている様子。さっそくそれを軍議で話そうと生き生きした表情で作戦を練る父・幸村の姿を静かに見守る息子・大助がなんだか可愛い。
そしていよいよ軍議が始まります。その場にいる者たちはみんな「籠城」作戦をとることを考えていました。しかし、ただ一人幸村だけが「不承知でござる」と異を唱えます。籠城は援軍を待つときの作戦だけど、今回の戦には援軍は来ないと言い切り籠城は得策ではないと主張。秀頼から代わりの案を聞かれた幸村は「討って出るべき」と宣言します。
しかし、京都にいる家康の首を獲りに行くという幸村の案にはみんな難色を示しなかなか首を縦に振ろうとしません。神社仏閣が多い京都に攻め入ることに躊躇がある様子。しかし幸村は「勝つためならやむなし」と考えを変えようとしません。それでも難攻不落の大坂城での「籠城」を貫き通したい有楽斎や治長たち。兵糧もあるし、そうこうしてるうちに家康が死んでしまうのを待てばいいと消極的なことばかり…。何を話しても自分の意見を受け入れてもらえそうにないと思った幸村は「考えた策を吟味せずに退けられたらもう自分の出る幕はない」とその場から立ち去ってしまいました。
逆ギレみたいな形で部屋に戻ってきた幸村はふてくされた風に寝転がる。
この寝姿、昌幸パパとそっくりだなwww。昌幸さんもスネたりするといつもこんな感じで寝転がってたっけ
。頭脳だけじゃなくてこういう仕草もしっかり受け継いでるんだねぇ、源次郎
。
幸村の行動に「やりますなぁ!!」と感心する内記さんでしたが、幸村はあのように途中退出することであの場に波紋を起こすことが狙いだった様子。「籠城」で決まりそうだった雰囲気を変えるためには、頼りにされてた自分がわざとキレて外れることだって思ったんだね。そういう策略的なところもパパそっくりだわw。
すると、読み通り本当に幸村を呼びに来る人物が近づいてくる。慌ててまたふて寝体制に入るのが面白かったww。呼びに来たのは若い木村重成。幸村はあえて重成に「あなたはどう思われた?」と尋ねるとやはり「籠城」がいいと返される。しかし籠城作戦は敵も知っているだろうから裏をかくことに意味があるのではと問いかけられると「籠城」の意思が少し揺らいだように見えました。こういうところが重成まだ若いよね。
呼び戻された幸村は改めて自らの策を堂々と披露します。京に家康が今が好機、秀忠がやって来る前にその首を獲ってしまえばいい。そうすれば徳川についた豊臣恩顧の武将たちがきっと豊臣方に味方すべくやって来るはず。さらに上杉と伊達と協力して背後から秀忠軍を撃退させると。幸村は上杉が自分たちについてくれるってこの時点ではまだ信じてたんだね。そして伊達も。一度胸のうち語り合ってたことあったしね。この策が実現していたらどんなに良かっただろうか…
。
「負ける気がいたしません!」
幸村の討って出る策は完璧で、本当に負ける気がしないって思えてしまうのがすごい。堺さんの発する幸村としての言葉の力って本当にすごいなと思います
。
しかし、これだけ完璧な策を提案しても五人衆の仲間たちは賛同せず籠城を唱えるばかり。全登さんなんかは目が泳いで「右に同じ」って言ってたところを見るとちょっと気持ち揺らいでる感がありましたがw。この流れに有楽斎はほくそ笑みながら「やっぱり籠城がいいようですな」と無理やりまとめようとしてて幸村は愕然としてしまいます。しかし、まさに決まりかかったその時、勝永だけが「話が大きすぎて、俺はそこが気に入った!!」と幸村に賛同してくれました
。あの空気の中、一人自分の意見を主張できる勝永、カッコいいわ~~~
!!
勝永の賛成により、秀頼の心も揺らいでいるようでもう少し話し合うことで一度休憩に入ることになりました。
勝永は本心では籠城でも討って出てもどちらでもよかったと幸村に話します。ただ自分の力を試してみたかっただけだと。幸村案に賛同したのは京に攻め込んで家康の首を獲る役目を自分に与えてもらえるよう恩を売るためだったそうです。そういう理由だったら幸村的には全然OKですよね
。
又兵衛が反対したのは幸村に従いたくないからっていう子供じみた理由がありそうだと予想はつきますがww、盛親や全登は賛成してくれなかったのか気がかりなところ。ということで、実際に胸の内を聴きに彼らの元へ行くことにした幸村。
まずは全登さん。戦上手だった宇喜多家家臣だった全登ならば籠城が得策ではないことくらい分かっているのではないかと聞いてみる。すると、治長から軍議が始まる前に幸村の提案してくる策には乗らないようにと釘を刺されていたことを告白される。やっぱり裏工作があったのか
。キリシタン大名の全登は信者を増やすことを一番の目的としている。もしも籠城案に賛同してくれたらキリシタンの不況に便宜を図ってやると約束されたらしい。見事に心の隙を突かれてしまったわけだけど、辛いとこだねぇ…。
全登が豊臣方についた理由はただ一つ、キリシタン禁教令を出した徳川が許せなかったから。それ以外のことは籠城だろうが討って出ようが彼には関係ないというわけでした。こう言われては幸村は何も言えない…。
そして盛親さん。彼も治長からの裏工作を受けていた一人で、「籠城に賛同すれば長宗我部家の再興の願いをかなえてやる」と言われていたと。前回は盛親さん、家臣たちに担ぎ出される形で渋々参戦したって言ってたけど、長宗我部を再興したいっていう家臣たちの気持ちだけは叶えたいって思ってたんだね
。盛親さんもそんな心の隙に入れ込まれたうちの一人でした。
幸村はそれぞれの事情を知ったうえで不思議に思っていたことがありました。なぜ治長が軍議前に幸村の策を知っていたのか。それを知らなければ事前の裏工作できませんからね。そこでピンと来たのが武器庫での茶々とのやり取りです。あの時幸村は茶々に籠城よりも勝てる策を思いついたと話してしまっていました…。よもや彼女が最大の幸村の弊害になるとは
。真田丸に出てくる女はみんな恐ろしい…。
幸村は盛親や全登の事情を把握したうえで再び説得しようとします。
「豊臣が負けてしまえば、あなた方の願いは潰えるということです。籠城では勝てない。勝つためには城から出るほかはありません」
この幸村の言葉は二人の胸に響いたんじゃないのかなぁ。負けたら確かに彼らの望みをかなえてくれる対象が無くなっちゃうわけですから。
軍議が大変なことになっている時、茶々は優雅に妹の初とお茶菓子を食べて和んでました
。ということで、ここではいだしょうこ画伯初登場ですwww。よもや、どこかであのミニチュアイラスト披露するシーンが出てきたりなどしないだろうな


。
何としても幸村案を廃案に追い込みたい大蔵卿たちはその重責を若い重成に負わせることに
。あの中では下っ端扱いだから良いように扱われちゃってホント気の毒
。
又兵衛以外の五人衆は城から討って出るという幸村の案に乗ることを宣言。流れは一気に籠城から討って出ていく方に傾いていきます。そこで重成は幸村に「敵を分断させるということは味方も分断させるということにならないか」と尋ねます。まとまりない牢人が力を発揮できるのは大坂城で一丸となって敵とぶつかるときではと意見する重成。おお、若いけどしっかりした意見を持っていらっしゃる
。たしかに彼の言うことも一理あるよね。
それに対し、幸村は「だから籠城は今は気が早くはないですか?」と返します。大坂城は最強の砦だけど最後の砦でもある。大坂城が万が一なくなってしまっては元も子もない。だからなおさら籠城を最後に取っておくためにも討って出るべきだと熱く語る幸村。さすが、頭がキレるね~~幸村
!!
「定石通りに考えていては戦には勝てませんぞ」
という幸村の言葉が重い。これはすごい説得力あったんじゃない!?知的な堺さんが一つ一つ語る策のセリフは本当にすごい説得力を持ちますよね。聞いていて「なろほど」ってすごく納得してしまう
。
幸村の力のある説得に「腑に落ちた」重成はついに考えを変えます。籠城策の前に討って出て敵の力を削ぐのが良いことに納得してくれたようです。こういうとこ、若者らしくて良いよね
。そして流れは一気に幸村案へと傾いていき治長や有楽斎は動揺を隠せなくなるわけですが、そんな空気をまた変えてしまうのが又兵衛です。
頑として幸村案に賛成しようとしない又兵衛に勝永は「何のために大坂城へ来たのか」と尋ねる。その答えを幸村は分かっていました。
「死に場所を求めにやってきた、違いますか?」
黒田長政の元を飛び出した又兵衛は裏から手を回されどこに士官することも叶わなかった。居場所を失い、いつしか又兵衛は武士らしく死ぬことしか考えられなくなっていく。プライドの高い又兵衛は天下一の大坂城で華々しく死ぬつもりでここへやってきたと。勘のいい幸村に心を読まれていた又兵衛は改めて「籠城」を主張します。
死ぬつもりで大坂城へやってきた又兵衛に、幸村は鋭い視線で「私は勝つためにここへやってきた」とハッキリ告げます。幸村はあの中の誰よりもこの戦に勝とうという意志が強い。みんな心のどこかでは負けを意識しているなか、一人勝ちを意識して信じ続けている幸村の姿は又兵衛には堪えたと思います
。
「みなそれぞれ生きる望みを持っている。だからこそわれらは強い!私は本当に負ける気がしないのです!!我らは決して負けない。ここに死に場所はない。死にたいのなら徳川につくべきだ!!!」
この幸村についていけば、本当に負ける気がしない!!そう思うよ、本当に。演じてる堺さんの言葉と確固たる意志のあるあの目!!!幸村が彼で本当に良かったと思えた瞬間でした
。
この、負けを覚悟してきた者を勝ちの意識に持って行く話、どこかで見たことあるなと思ったんですが…たぶんそれは『新選組!!』での榎本武揚と土方歳三のやり取りのシーンだったな。土方は死を覚悟して五稜郭に入ったけど榎本は本気で新政府軍に勝つつもりでいたって場面。土方はあの後榎本に影響されて勝つための戦をするよう意識を変えていったわけですが、三谷さんはこういう展開に持って行くのが上手いと思います。
今回も又兵衛は幸村の確固たる意志に心を動かされついに討って出るという幸村の案に乗ることになりました。
秀頼もすっかり幸村案に魅せられて籠城を主張する人はもういないみたいな雰囲気になったわけですが、それでもただ一人「籠城」だと考えを改めなかったのが有楽斎。彼にとっては勝つとかまけるかとかではなくて、ただただ牢人たちを自分たちの意見に従わせることしか考えていなかった
。これじゃあ下の人間はついてこないよ。で、そんな有楽斎に異を唱えたのは…意外にも籠城策のために裏で手をまわしていた大野治長でした。ここで治長の見せ場を持ってきたか
!!
これまでの治長は本当にいけ好かないキャラっていうのが多くて感情移入しづらかったんですけど
、有楽斎の発言に対して「聞き捨てならない」と反旗を翻したのはホントカッコよくて印象が変わりました。牢人たちを「客人」と見ていたというのが特に泣かせるじゃないですか!
「決めるのは右大臣・秀頼公でございます!!!」
そして彼が一貫しているのが「秀頼が全て」ってこと。それが良い。有楽斎はへそを曲げてその場を退出。もうこれで籠城案を推す人はいなくなり、秀頼も「討って出よう」と決意を固めました。豊臣の心が一つになった瞬間は実に清々しかったです
。
しかし、全てがうまく行ったかに思えたその晩、治長と重成は重い表情で幸村を訪ねてくる。あんなに幸村案に賛同して意気揚々とやる気を見せていた秀頼が、急に籠城案で心を決めてしまったというのです…。
その原因は、母親の茶々。
軍議の様子を聞いた茶々は討って出れば秀頼の身に危険が及ばないとも限らないと思ったんでしょう。戦に勝つことよりも茶々は息子の秀頼が無事であることが全て。どんなに討って出たほうが勝機があると言っても、盤石の城に籠っていたほうが秀頼は安全だという茶々の考えは変えられないと思いました…。彼女にとっては息子が全てなんですよね
。
そんな母の意見に何も言えない秀頼は押し切られるような形で籠城策へと考えを戻してしまいました。ちょっと情けないような気もするけど、もうこれは仕方がない。
幸村は新たな策を考えざるを得ない状況に追い込まれる。
そしていよいよ来週から、迫力のロケシーンが出てくるわけですね
!!上杉主従も登場するみたいだし、たのしみです
。




そんな裏工作が行われているとは知らない幸村は父・昌幸の教えを思い出し何やら妙案を思いついている様子。さっそくそれを軍議で話そうと生き生きした表情で作戦を練る父・幸村の姿を静かに見守る息子・大助がなんだか可愛い。
そしていよいよ軍議が始まります。その場にいる者たちはみんな「籠城」作戦をとることを考えていました。しかし、ただ一人幸村だけが「不承知でござる」と異を唱えます。籠城は援軍を待つときの作戦だけど、今回の戦には援軍は来ないと言い切り籠城は得策ではないと主張。秀頼から代わりの案を聞かれた幸村は「討って出るべき」と宣言します。
しかし、京都にいる家康の首を獲りに行くという幸村の案にはみんな難色を示しなかなか首を縦に振ろうとしません。神社仏閣が多い京都に攻め入ることに躊躇がある様子。しかし幸村は「勝つためならやむなし」と考えを変えようとしません。それでも難攻不落の大坂城での「籠城」を貫き通したい有楽斎や治長たち。兵糧もあるし、そうこうしてるうちに家康が死んでしまうのを待てばいいと消極的なことばかり…。何を話しても自分の意見を受け入れてもらえそうにないと思った幸村は「考えた策を吟味せずに退けられたらもう自分の出る幕はない」とその場から立ち去ってしまいました。
逆ギレみたいな形で部屋に戻ってきた幸村はふてくされた風に寝転がる。
この寝姿、昌幸パパとそっくりだなwww。昌幸さんもスネたりするといつもこんな感じで寝転がってたっけ


幸村の行動に「やりますなぁ!!」と感心する内記さんでしたが、幸村はあのように途中退出することであの場に波紋を起こすことが狙いだった様子。「籠城」で決まりそうだった雰囲気を変えるためには、頼りにされてた自分がわざとキレて外れることだって思ったんだね。そういう策略的なところもパパそっくりだわw。
すると、読み通り本当に幸村を呼びに来る人物が近づいてくる。慌ててまたふて寝体制に入るのが面白かったww。呼びに来たのは若い木村重成。幸村はあえて重成に「あなたはどう思われた?」と尋ねるとやはり「籠城」がいいと返される。しかし籠城作戦は敵も知っているだろうから裏をかくことに意味があるのではと問いかけられると「籠城」の意思が少し揺らいだように見えました。こういうところが重成まだ若いよね。
呼び戻された幸村は改めて自らの策を堂々と披露します。京に家康が今が好機、秀忠がやって来る前にその首を獲ってしまえばいい。そうすれば徳川についた豊臣恩顧の武将たちがきっと豊臣方に味方すべくやって来るはず。さらに上杉と伊達と協力して背後から秀忠軍を撃退させると。幸村は上杉が自分たちについてくれるってこの時点ではまだ信じてたんだね。そして伊達も。一度胸のうち語り合ってたことあったしね。この策が実現していたらどんなに良かっただろうか…

「負ける気がいたしません!」
幸村の討って出る策は完璧で、本当に負ける気がしないって思えてしまうのがすごい。堺さんの発する幸村としての言葉の力って本当にすごいなと思います

しかし、これだけ完璧な策を提案しても五人衆の仲間たちは賛同せず籠城を唱えるばかり。全登さんなんかは目が泳いで「右に同じ」って言ってたところを見るとちょっと気持ち揺らいでる感がありましたがw。この流れに有楽斎はほくそ笑みながら「やっぱり籠城がいいようですな」と無理やりまとめようとしてて幸村は愕然としてしまいます。しかし、まさに決まりかかったその時、勝永だけが「話が大きすぎて、俺はそこが気に入った!!」と幸村に賛同してくれました



勝永の賛成により、秀頼の心も揺らいでいるようでもう少し話し合うことで一度休憩に入ることになりました。
勝永は本心では籠城でも討って出てもどちらでもよかったと幸村に話します。ただ自分の力を試してみたかっただけだと。幸村案に賛同したのは京に攻め込んで家康の首を獲る役目を自分に与えてもらえるよう恩を売るためだったそうです。そういう理由だったら幸村的には全然OKですよね

又兵衛が反対したのは幸村に従いたくないからっていう子供じみた理由がありそうだと予想はつきますがww、盛親や全登は賛成してくれなかったのか気がかりなところ。ということで、実際に胸の内を聴きに彼らの元へ行くことにした幸村。
まずは全登さん。戦上手だった宇喜多家家臣だった全登ならば籠城が得策ではないことくらい分かっているのではないかと聞いてみる。すると、治長から軍議が始まる前に幸村の提案してくる策には乗らないようにと釘を刺されていたことを告白される。やっぱり裏工作があったのか


全登が豊臣方についた理由はただ一つ、キリシタン禁教令を出した徳川が許せなかったから。それ以外のことは籠城だろうが討って出ようが彼には関係ないというわけでした。こう言われては幸村は何も言えない…。
そして盛親さん。彼も治長からの裏工作を受けていた一人で、「籠城に賛同すれば長宗我部家の再興の願いをかなえてやる」と言われていたと。前回は盛親さん、家臣たちに担ぎ出される形で渋々参戦したって言ってたけど、長宗我部を再興したいっていう家臣たちの気持ちだけは叶えたいって思ってたんだね

幸村はそれぞれの事情を知ったうえで不思議に思っていたことがありました。なぜ治長が軍議前に幸村の策を知っていたのか。それを知らなければ事前の裏工作できませんからね。そこでピンと来たのが武器庫での茶々とのやり取りです。あの時幸村は茶々に籠城よりも勝てる策を思いついたと話してしまっていました…。よもや彼女が最大の幸村の弊害になるとは

幸村は盛親や全登の事情を把握したうえで再び説得しようとします。
「豊臣が負けてしまえば、あなた方の願いは潰えるということです。籠城では勝てない。勝つためには城から出るほかはありません」
この幸村の言葉は二人の胸に響いたんじゃないのかなぁ。負けたら確かに彼らの望みをかなえてくれる対象が無くなっちゃうわけですから。
軍議が大変なことになっている時、茶々は優雅に妹の初とお茶菓子を食べて和んでました






何としても幸村案を廃案に追い込みたい大蔵卿たちはその重責を若い重成に負わせることに


又兵衛以外の五人衆は城から討って出るという幸村の案に乗ることを宣言。流れは一気に籠城から討って出ていく方に傾いていきます。そこで重成は幸村に「敵を分断させるということは味方も分断させるということにならないか」と尋ねます。まとまりない牢人が力を発揮できるのは大坂城で一丸となって敵とぶつかるときではと意見する重成。おお、若いけどしっかりした意見を持っていらっしゃる

それに対し、幸村は「だから籠城は今は気が早くはないですか?」と返します。大坂城は最強の砦だけど最後の砦でもある。大坂城が万が一なくなってしまっては元も子もない。だからなおさら籠城を最後に取っておくためにも討って出るべきだと熱く語る幸村。さすが、頭がキレるね~~幸村

「定石通りに考えていては戦には勝てませんぞ」
という幸村の言葉が重い。これはすごい説得力あったんじゃない!?知的な堺さんが一つ一つ語る策のセリフは本当にすごい説得力を持ちますよね。聞いていて「なろほど」ってすごく納得してしまう

幸村の力のある説得に「腑に落ちた」重成はついに考えを変えます。籠城策の前に討って出て敵の力を削ぐのが良いことに納得してくれたようです。こういうとこ、若者らしくて良いよね

頑として幸村案に賛成しようとしない又兵衛に勝永は「何のために大坂城へ来たのか」と尋ねる。その答えを幸村は分かっていました。
「死に場所を求めにやってきた、違いますか?」
黒田長政の元を飛び出した又兵衛は裏から手を回されどこに士官することも叶わなかった。居場所を失い、いつしか又兵衛は武士らしく死ぬことしか考えられなくなっていく。プライドの高い又兵衛は天下一の大坂城で華々しく死ぬつもりでここへやってきたと。勘のいい幸村に心を読まれていた又兵衛は改めて「籠城」を主張します。
死ぬつもりで大坂城へやってきた又兵衛に、幸村は鋭い視線で「私は勝つためにここへやってきた」とハッキリ告げます。幸村はあの中の誰よりもこの戦に勝とうという意志が強い。みんな心のどこかでは負けを意識しているなか、一人勝ちを意識して信じ続けている幸村の姿は又兵衛には堪えたと思います

「みなそれぞれ生きる望みを持っている。だからこそわれらは強い!私は本当に負ける気がしないのです!!我らは決して負けない。ここに死に場所はない。死にたいのなら徳川につくべきだ!!!」
この幸村についていけば、本当に負ける気がしない!!そう思うよ、本当に。演じてる堺さんの言葉と確固たる意志のあるあの目!!!幸村が彼で本当に良かったと思えた瞬間でした

この、負けを覚悟してきた者を勝ちの意識に持って行く話、どこかで見たことあるなと思ったんですが…たぶんそれは『新選組!!』での榎本武揚と土方歳三のやり取りのシーンだったな。土方は死を覚悟して五稜郭に入ったけど榎本は本気で新政府軍に勝つつもりでいたって場面。土方はあの後榎本に影響されて勝つための戦をするよう意識を変えていったわけですが、三谷さんはこういう展開に持って行くのが上手いと思います。
今回も又兵衛は幸村の確固たる意志に心を動かされついに討って出るという幸村の案に乗ることになりました。
秀頼もすっかり幸村案に魅せられて籠城を主張する人はもういないみたいな雰囲気になったわけですが、それでもただ一人「籠城」だと考えを改めなかったのが有楽斎。彼にとっては勝つとかまけるかとかではなくて、ただただ牢人たちを自分たちの意見に従わせることしか考えていなかった


これまでの治長は本当にいけ好かないキャラっていうのが多くて感情移入しづらかったんですけど

「決めるのは右大臣・秀頼公でございます!!!」
そして彼が一貫しているのが「秀頼が全て」ってこと。それが良い。有楽斎はへそを曲げてその場を退出。もうこれで籠城案を推す人はいなくなり、秀頼も「討って出よう」と決意を固めました。豊臣の心が一つになった瞬間は実に清々しかったです

しかし、全てがうまく行ったかに思えたその晩、治長と重成は重い表情で幸村を訪ねてくる。あんなに幸村案に賛同して意気揚々とやる気を見せていた秀頼が、急に籠城案で心を決めてしまったというのです…。
その原因は、母親の茶々。
軍議の様子を聞いた茶々は討って出れば秀頼の身に危険が及ばないとも限らないと思ったんでしょう。戦に勝つことよりも茶々は息子の秀頼が無事であることが全て。どんなに討って出たほうが勝機があると言っても、盤石の城に籠っていたほうが秀頼は安全だという茶々の考えは変えられないと思いました…。彼女にとっては息子が全てなんですよね

そんな母の意見に何も言えない秀頼は押し切られるような形で籠城策へと考えを戻してしまいました。ちょっと情けないような気もするけど、もうこれは仕方がない。
幸村は新たな策を考えざるを得ない状況に追い込まれる。
そしていよいよ来週から、迫力のロケシーンが出てくるわけですね

