劇団四季『壁抜け男』千穐楽
2016.11.13 13時開演 ←日帰りですw
於.四季劇場・自由(東京・浜松町)

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2年ぶりに再演されたミュージカル『壁抜け男』千穐楽を迎えました。
もう6年応援し続けている飯田洋輔くんが公演委員長としても頑張っていた今作。楽公演だけは何としても見届けに行きたくてチケット発売初日に気合入れて取っただけありかなりの良席でございました。

舞台の感想については本当は今構築中の別ブログに書きたかった所ですが、少し手間取ってしまっているので今回はこちらで少しだけ触れたいと思います。

「普通」の生活に満足していた公務員デュティユル(洋輔くん)は職場でも目立たない存在。そんな彼がある日突然、壁を抜けられるような体になってしまう。戸惑い精神病院に相談に行っても、適当な病名を付けられ頭痛薬を渡されただけ。壁を抜けるようなたいそうなことをするよりもやはり自分は「普通」でいたいと望んでいたデュティユルですが、軍人上がりの理不尽な部長を壁抜けで驚かせ追い詰めたことで心が変わってきます。
そしてついにデュティユルは壁抜けでちょっとした事件を起こし、望み通り新聞の社会面に「謎の怪盗ガルガル」という名で掲載されることに。そして、職場の人や町の人とのかかわり方も少しずつ変化してきた頃、隣に住む美しい人妻のイザベルに恋をします。精神科医から「女だけは気をつけろ」と忠告を受けていたにもかかわらず彼女の魅力に惹きつけられていくデュティユルは大胆な行動に出ていくことに。
しかし、万事がうまく行き、イザベルとも結ばれた日…デュティユルに思いもよらない出来事が待っていました。

ざっとした概要はこんな感じのライトでお洒落で温かいフレンチミュージカルです。
演奏者は3人だけ。過去2回公演は生演奏ではなかったのですが、今公演は四季が頑張って生演奏を入れてくれました。最近の四季ミュージカルは一部を除いてほとんどがテープ演奏となってしまっているため(財政的な問題もあるらしい)、私は一度も洋輔くんが生演奏で歌っている作品を見たことがありませんでした。なので、今回、彼が初めて生演奏に合せて歌って芝居しているのを目の当たりにできて…本当に嬉しかったです。やはり生演奏だと演じる呼吸とか歌いだしのタイミングとか、テープよりもリアルで生き生きして見えるんですよね。あぁ、そこにデュティユルが生きている!といった感動がある。そういった点でも本当に感激した今公演でした。

飯田洋輔くんがデュティユルを演じて3度目になるのですが、今回が一番見ていて胸に沁みましたね。前回まではどちらかというと若くて可愛い等身大のデュティユルといった印象でしたが、今回はそれだけではない…どちらかというと人生を積み重ねてきた中での哀愁といった一面が前面に出ていて…その彼の孤独の部分がどうしようもなく自分の気持ちの中に入り込んできて見ているだけで涙が出ました。「普通でいたい」っていう言葉の中には人間が一度は抱いたことのあるであろう漠然とした孤独感みたいな感情も含まれているようで…見ていて思いきり感情移入してしまいました。
これまでの公演では、洋輔くんが主演に抜擢されて頑張って演じている姿を見て胸打たれて涙していることが多かったんですけど、今回は洋輔くんが演じるデュティユルという人物に自分の気持ちが共感して涙してしまったという部分が多かったように思います。

そんな彼の成長を見て、あぁ、どんどん「いい役者さん」になっていくなって。

そんな洋輔くんを盛り立てている周りのカンパニーもとにかく温かいんですよ、オケの人も含めて。特に町の人たちがデュティユルを励まして歌い踊る♪口笛バレエ♪のシーンは何度見ても涙があふれて止まりませんでした。とにかく優しいんです、町の人たちのデュティユルに対する気持ちが!!すごく幸せで包み込まれた気持ちになって心がどうしようもなく温かくなって泣けるんです。
そんな雰囲気を醸し出しているのはやっぱり、洋輔くんの魅力あってこそだなって…今回も思いました。

切なくほろ苦いラストの後に歌われるフィナーレ。
何役もこなしているキャストさんたちの輝くような笑顔。イザベルの優しい歌声。そして、生きる喜びに溢れたまま登場するデュティユル。彼らの歌う最後の「人生は素敵、人生は最高!」のフレーズは客席で彼らを見守ってきた私たちへの最高の贈り物のように感じられました。

『壁抜け男』はそんな素敵なミュージカルです。



千穐楽のカーテンコールも大変盛り上がりました。

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