2016年8月公開
『君の名は。』
監督・新海誠
声の出演・神木隆之介、上白石萌音
現在大ヒットを飛ばして話題の新海誠監督によるアニメ映画『君の名は。』をついに見に行ってきました。前から気にはなっていながらも今ひとつ決め手を欠いていたんですけど、友達から「これ好みだと思うよ」と太鼓判を押されたのをきっかけに映画館へ足を運びました。
新海アニメの評判は以前公開された『秒速5センチメートル』でチラホラ聞いてはいましたが、実際に見たのは今回が初めてです。なんでも、初めて大衆向けに創った作品との事で。そのマジックに私はものの見事にハマりましたw。素晴らしかったです!
まず最初にネタバレしない感想をいうとするならば…画が嘘みたいに美しいです。これは映画館で見たほうがいい!と思う理由の一つ。キャラクターたちはアニメっぽさがあるのですが、彼らの生きている世界の作画がまるで実写を見ているかのようにリアルでビックリしました。田舎の風景にしろ、都会の風景にしろ…、なんであんな細かくリアルに描けるんだろうかとただただ驚嘆。車や電車の動き、信号の変わり目、風にたなびく草、燃え盛る炎、祭りの提灯…それらもまるでそこだけ実写で切り抜いたのではないかと思うくらいの描写でした。
さらに目を見張るのが、「色」です。新海監督の特徴ともいえるということですが、色の使い方が本当に素晴らしかった。特に夜空を駆け巡る流星の描写は心の内をえぐるような(ドラマとのリンクで)残酷な美しさを放っていて本当に印象深かったですね。あの夜空のシーンはやはり映画館の大きなスクリーンで見てほしいと思います。
さらにストーリーが分かりやすく、かつ誰の心にも響く「人の想い」を中心に描かれていたのがとても良かった!最初は本当に他愛もないライトな展開でリラックスして見れるんですが、その合間にちょこちょこと後半に繋がるヒントがちりばめられている。そしてある時、主人公二人が同じタイミングである行動に出た時…一気にストーリーの雰囲気が変わり見る者をどんどんと惹きこんでいきます。
前半部分で少しずつちりばめた謎な部分が、徐々に「あぁそうだったのか」という想いにたどり着いていくたびに心の内側が熱くなり涙が幾度もこみ上げてきました。登場人物たちの想いが一気に動き出しやがて静かにクライマックスへ向かっていく流れも見事だったと思います。
RADWIMPSによるポップな音楽も不思議とこの映画の雰囲気にマッチしています。ストーリーにテンポがあったのも彼らの音楽あってこそでしょう。「前前前世」がヒットしているそうですが、映画の中にこの曲が流れてくるシーンは非常にアップテンポで音楽とリンクしていました。きっと曲だけ聞いてもこのシーンを容易に思い出せるのではないかと。
だいたい映画館で映画を見ると本編が終わった後エンドロールを待たずにチラホラ席を立つ人がいるのですが、今回はすべてが終わるまで誰ひとり席を立つ人がいませんでした。「君の名は。」はそれほど色んな人の心に何かを残す作品なんじゃないかと思います。
以下、少しネタバレ的な印象に残るシーンについて少し。ネタバレ入ってるんで知りたくない方はスルーを。
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