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※「真田丸」が大好きでたまらない方は以下導入部の文章はスルーしてください。たぶんあまりいいこと書いてない

前回の感想で「1度だけ休むかも」と最後に書き加えていましたが、1度どころか4回分休業ということに相成ってしまいました。休んでる間に信幸が「信之」となり、昌幸が草刈さんが言ってた通り九度山であっという間に白髪になったと思ったら亡くなってしまい、信繁たちは九度山生活突入し家族が増え、さらに息子・大助によるくじ引きで信繁から「幸村」という世間的に一番浸透していた名前になりました。
もちろん、真田丸はずっと見ていたんですけど…上杉の出番がめっきり薄くなった(というよりかは無くなった)ことも影響し今ひとつテンション上がらず感想書くのはお休みしておりました。それに私は三谷さんの描く女性像がどうも苦手でしてね…。九度山生活ではきりと春のやり取りなんかも中心になってたりして正直かなり微妙な心境で見ていました(苦笑)。

それにしても、きりは九度山でてっきり信繁の側室という立場に昇格するのかと思っていたら…どうやらそこまでの関係にはなっていない様子ですね。まぁ、あそこまで信繁から「アウトオブ眼中」扱いされ続けてて突然親密にっていうのも違和感しかありませんが(苦笑)、三谷さん的にはきりは信繁の女というよりかは同志としての立ち位置として描きたい気持ちが強かったのかもしれません。だから最初から「想い人」ではなく「パートナー」という位置づけにしていたのかも。
史実では信繁には4人側室がいてそれぞれ子供を産んでいるという記録があるそうですが(当時は女性に関する記録がほとんどないらしいのでそれも曖昧ですけど)、ドラマでは結局、最初の側室と正妻だけが子供を残したって形で進めていくのかもしれませんね。三谷さんの男女恋愛的なストーリーは正直全く期待していないので無理にそういう話を書かれるよりかは良いと思います(毒っぽい言い方で申し訳ないですが)。三谷脚本は男性が活躍するドラマはすごく面白くグッとくるストーリーが多いんですが、女性の描き方はなんか素直じゃなくてなんですよ。それに私はいまだにきりや松が現代的なセリフを話しているのに嫌悪感を覚えてしまうのでなるべくスルーして見るようにしています。「真田丸」という作品にハマりきれない理由の大きな一つがここにある気がします(苦笑)。

あくまでも一個人の感想なのであしからず。溜まってたものを少し出せてちょっとスッキリしたw。

第41回の「入城」は久しぶりに見ていてワクワクする内容だったのでまた感想書いてみたいと思います。





信繁改め幸村が九度山を脱出して秀頼と共に徳川と闘う決意をした頃、大坂城には多くの豊臣恩顧の浪人たちが集結してごった返してました。なんかいかにも寄せ集めが集合してきました、みたいな映像で分かりやすかったなw。そんな中でやたら目立っていたのが、元黒田長政家臣の後藤又兵衛です。

初登場した時から豪快な人物ではありましたが、黒田長政とのゴタゴタでさらに捻くれた性格が加味されてしまったのかwけっこう態度が横柄です。哀川さんが演じられると迫力ありますよねぇ、やっぱり。報酬の金子を目の前にしてニヤリとするシーンなんかは裏社会の人みたいな怖さすら感じました(笑)。
そして、関ヶ原回想シーンでちょこっとだけでてきていた岡本健一さん演じる毛利勝永もいよいよ本格的に登場してきました。結局宇喜多役の高橋さんとの元男闘呼組共演は一瞬だけでしたね

大坂城に次々と人が集まってきていることはすぐに家康の耳に入ります。家康的には秀頼を積極的に滅ぼしたいという意思はなかったようで「一大名として収まってくれていればこんなことにならなかったのに」とボヤいているのがなんだか新鮮。今までの家康は邪魔者の豊臣は早く潰してしまいたいっていう欲でいっぱいのキャラが多かったですからね。そんなところがやっぱりなんか憎めない、内野@家康。
大坂城にいくら人が集まってきても所詮は寄せ集め集団っていう考えではあるものの家康の中では一つだけ大きな懸念事がありました。それが九度山に追いやっている真田の存在です。昌幸はもういないっていうのは分かってるんだけど、その息子の行動がこの先どう出るのかがどうしても気になって仕方がない。死してなおここまで家康の心に脅威として残り続けてる昌幸。九度山で無念の死を遂げましたが、こういう形で家康に恐怖心を植え付けているという点では結果的に勝利したと言えるのではないでしょうか。
それにしても老・家康、ちょっと体型がスリムになりましたかな。以前草刈さんが内野さんとすれ違った時に「少し体重戻ったんじゃない?」と尋ねたら「もう疲れました」って答えが返ってきたって話してたから(笑)ちょうどその頃かもしれません

江戸の真田屋敷では逞しくなった信之の息子二人が剣術稽古の真っ最中。稲との子供の信政は血気盛んで剣術の腕もなかなかですが相手を思いやる気持ちが少し欠けている部分がある。一方おこうとの子供の信吉は武術が苦手でひと月上の弟・信政に打ち負かされてばかりいるヘタレ。
設定では二人の年齢差は1カ月ということになっていますが、実際に演じてる広田くんと大山くんの年齢差は10近くありますねw。大山くんは例の事件の一件からこの話が舞い込んできたことでかなり話題になっていますが、舞台中心で活躍してきた彼がこうして注目されるのは嬉しいです。ミュージカル『グランドホテル』での大山くん、カッコよかったしね。期待しています!!

そんな二人の息子に対し、もうすぐ戦が始まるかもしれないタイミングを見計らって跡継ぎをどちらかに決めなければいけないと考える信之は頭が痛い。前回から左手の痺れによる体調不良で伏せている信之でしたが、なんだかすごく貫禄があってどっしりとした安定感を感じました。洋ちゃん、イイね!!!
信吉には茂誠、信政には三十郎がそれぞれついていて信之の息子が逞しくなったことに目を細め語り合っています。このシーンの時の高木さんですが…なんか、右目が充血していたような!?ちょっとほのぼのしたシーンだったけど、高木さんの目が気になって仕方なかった。お疲れでしょうか?

信之がどちらを後継者にするか悩んでいた時、稲は自分の息子の信政ではなくおこうの息子である信吉を跡継ぎにしてほしいと申し出ます。本当は自分の息子を…って気持ちもあったと思うのですが、長年陰の存在として自分たちを支えてきてくれたおこうに対する感謝の気持ちからその決断に至ったようです。本当はずっと信之の正室でいたかったであろうおこうの心の痛みを稲はいつもどこかで感じていたのかもしれません。そんな稲の心遣いに感動したおこうさんが嬉しさのあまり涙を流して感謝するシーンはとてもよかったし泣けました。おこうさん、これまでの苦労が報われた瞬間だったよね。
だけど、今後の信政のことも少し心配です。あの気性ですし…自分よりもヘタレなお兄さんが跡継ぎって聞かされたら良くは思わないよねぇ。稲はおこうへの感謝の気持ちもあっただろうけど、信政の少し荒い性格も見抜いていたから気持ちを押し殺して決断したと思います。それが果たして今後吉と出るか凶と出るか…。今後そのあたりのドラマも描いてほしいです。

一方、幸村たちはいよいよ脱出の算段を実行しようとしています。
まずは村長の長兵衛の所へ行き「村人たちと親交を深めるために宴を開きたい」と提案。九度山に来たばかりの時は幸村たちの存在を煙たがっていた長兵衛たちでしたが、真田紐によって恩恵を受けたのをきっかけに一気に関係が良好になったようです。
長兵衛の屋敷で盛大な宴会が開かれている夜、浅野家家臣の竹本義太夫が見張りと称して尋ねてくる。家康はよほど幸村の動きを警戒しているようで九度山の見張りを増やすことにしたようです。しかし幸村はそんな動きをまるで読んでいたかのように落ち着いて対応。「ここから出ようなんて全く思ってないしこれからも村の皆と仲良く暮らしていくつもり。いま親睦の飲み会盛大にやってるからよかったら参加しない?」と。あんな落ち着き払って言われたらそりゃ義太夫さんだって信じるわな。
ちなみにこの竹本義太夫さんは浄瑠璃で有名なあの方ではありません。っていうかまだこの世に生まれてすらいないし。この名前の家臣をあえてピックアップしたのは三谷さんなりの何かの考えがあるのかもしれませんが、別人です。

見張り番の人も上手いこと酒の席に引きずり込み、酒がまわってきて場が最高潮になった頃真田家一同による雁金踊りが始まり大盛り上がり!
かつて信繁の婚礼の席でおこうさんが皆を引き留めるために必死にやっていたあの雁金踊りがここにきて再び出てくるとはねぇ。あの時は室賀暗殺の事情を知らないまでも引き留め役を必死におこうさんが務めてたって感じで描かれていましたが、今回は皆脱出するための芝居だと分かって歌ってる。「瓜売り」の唄のように覚えやすく滑稽な調子ですが、サスペンス味もあってなんかドキドキしました。
一人、また一人と踊りながらその場から消えていくわけですが、皆酒がまわっていることもあり不審に思うものは誰もいない。それに、こういう踊りなんだなって妙に納得させるような流れもあって、最後に幸村が姿を消してもあの義太夫さんですら不思議に思っていなかったというw。
ただ一人、長兵衛さんだけは真田家が九度山を脱出する気なんだと気付いた様子でした。幸村は宴会の申し出をしたときに計画を話したんでしょうか…。気づいたうえで見逃しているんだと思ってたんですが、長兵衛さんの前にある徳利には酒ではなく米のとぎ汁が入っていたということは、示し合わせていたのか?それとも彼だけが察してとぎ汁を置いていたのか…そのあたりがよく分かりませんでした。

上手いこと酒の席から抜け出し全員揃ったところで長年幽閉されていた九度山から脱出する真田家一行。長兵衛のとぎ汁を注がれようやく自分たちが真田家に騙されていたと知った義太夫たちは長兵衛の案内で落ち合う予定の場所だろうとされた寺へ急行。
その頃、九度山を脱出すべく古い小屋から出ようとしていた幸村たちの前に仲間に加えてほしいという青年がやってきます。彼は朝ドラ「とと姉ちゃん」で最初の頃にいじめっ子兄弟の兄ちゃん役で出てた大内田くんです。あの頃の「とと~」は少し面白いって見てたし最後にデレたお兄ちゃん好きだったんだよね~。丸ではもう少し活躍してほしいな。ちなみにその時いじめっ子の弟として出演してた加藤くんも幸村の長女のダンナさんとして登場してましたね。
長兵衛は幸村たちが隠れていた場所とは違うところを案内し、その間に幸村たちは無事に九度山を脱出することに成功しました。佐助と長兵衛さんが目配せしてたところを見ると、やっぱり計画を知ったうえで協力していたのかもしれません。長兵衛さん、ありがとうございました
大坂城へ入る途中に立ち寄った宿で幸村は戦が始まったら家族はどこかへ避難させると語ります。それに対し春は「私も一緒に戦います」と覚悟を語ろうとしますが、幸村はものすごい形相で「それはならぬ!!!」と諌める。あまりの剣幕に驚く一同でしたが、幸村はこの戦が豊臣にとって不利なもので自らの命も果てるかもしれないという並々ならぬ覚悟で九度山を脱出したんだと思うんです。そんな危険な戦場に大切な家族を巻き込むわけにはいかない。幸村の悲壮な覚悟があのシーンにものすごく感じられてグッときました

同じころ、宿の外では佐助vs服部半蔵の激しい戦いが繰り広げられていました。家康が幸村たちに放った刺客として半蔵が忍び込んでいたようでしたが、それを瞬時に見抜いた佐助、さすが
ですが、戦いのクライマックスになり内記と幸村が佐助の加勢に入った時、追い詰められた半蔵は何か技を繰り出すと見せかけて…
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かなり情けない形相で逃げていきましたとさ
演じてたのがハマカーンの浜谷さんですからああいうシーン作りたくなるの分からないでもないんですけど…私はちょっと、納得いかないっていうか、笑えない。こういうところにコメディっぽい演出入れてくるのほんと好きじゃない。別にあそこユーモア求めてないし
と、シーン的にはかなり個人的に不満だったんですが、よくよく見てみると、半蔵が一気の中央突破で逃げ去ったのを幸村はしっかりと見届けているんですよね。ここはかなり大きなポイントでもあると思います。たぶん最終回かそれに近い頃にこの時の半蔵の行動が幸村の頭の中によみがえってくるんじゃないかな。ということで、「今後への伏線」として納得することにしましたw。

大坂城に入る寸前、幸村はあえて老人コスプレをすることにします。九度山での生活ですっかり年老いてしまったという印象を周りに持たせ油断させる。この噂は徳川にも届くだろうというのを計算した上での幸村なりのハッタリです。幸村ジジイになるっていうエピソードをこういう形に持ってくるのは面白いなと思いました
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大坂城入場時のビフォー幸村。見事にジジイ!ってか、このメイク術当時としては画期的じゃねww。
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周囲を見事にだましきった幸村はそれに満足し、本来の自分の姿に戻り手続きを済ませます。アフター幸村は後々の赤備を想定させるかのようないでたち。これまではブルーを基調とした着物を着ていただけに全体を赤でコーディネートした新しい幸村のインパクトは強烈でした。いよいよ「真田幸村」本格始動だな!!っていうワクワク感があってカッコよかったですね。こういうオーラを出せる堺雅人さんはやっぱりすごい役者だと思います。

さっそく秀頼に謁見した幸村。今回の中川くん演じる秀頼はめちゃめちゃ堂々としていて大将の器を感じさせるキャラになってますね。家康がその姿に嫉妬したっていうのもものすごく腑に落ちる。中川くんは『平清盛』の時にヘタレな若き頼朝を演じていたのが可愛かったんですが、あれからずいぶん精悍な青年に成長したなぁとしみじみ感じてしまう。
秀頼の側近には大蔵卿の息子、大野治長が付いていました。初対面した幸村の印象はなかなかの好感触「真田殿に来ていただけるなんてこれほどの喜びはござらん!」と大歓迎みたいな雰囲気でした、最初は。いつも治長は嫌味な武将として描かれることが多いので今回は友好的キャラとして活躍するのかなって思ってました、最初は
ところが、秀頼と謁見した幸村が自らの意見を治長が止めるのも聞かずに積極的に発言していくと…だんだんと心象が悪くなっていく。極めつけが兵糧のたくわえについて意見した時でしたね。自分が仕切ってしっかり準備したと自信があったものをいとも簡単に「そんなんじゃ足りない」とバッサリ切られ次々に的確な意見を秀頼に進言して行く幸村。
結果的に秀頼の側近というプライドを傷つけられた治長は、最初の友好的態度が嘘のように幸村に対して嫉妬心が沸々と湧き起こることになっちゃいました今後のこの二人の関係が非常に気がかりです(苦笑)。

秀頼との謁見が終わった幸村はふと庭にある桃の木に目を止めます。今は亡き三成が秀頼のためにと持ってきた桃の苗木はすっかり成長して実を付けるまでになっていました。まるで秀頼の成長そのもののよう。豊臣家の行く末を誰よりも気にかけていた三成の想いが桃の木を通して秀頼を見守っている気がしますね。
豊臣家での日々を桃の木を眺めながら思い出していた幸村の前に茶々が通りかかります。久しぶりに対面した2人…。
「二人は同じ日に死ぬ」と不吉な予言をかつて幸村に語った茶々。そこに向かっていく二人…。最後の引きの画がとても印象的でした。次回からの展開も楽しみです。


※他ブログに書いていたいくつかの真田丸記事をこちらに移転させました。

第12回~16回 ⇒ こちら
第17回~18回、20回 ⇒ こちら
第24回 ⇒ こちら