予告を見たときから贔屓にしている上杉主従がこれまでより出番ありそうだとワクワクしながら待っていた今回の「動乱」。何せ、前回兼続は一言もセリフ無かったですからね
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いつも楽しいツイートをしてくれる迫田さんの隣に村上新悟さんの名前があるっていうのも嬉しかった
のですが、その後個人的にビックリするキャスティングも…。
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え!!!愛一郎さん、とうとう大河デビューするんやw!!しかも、役名付きじゃないっすかw。出るとしたら刑部とセットのシーンだろうなと思いましたが、ここで愛一郎さんの名前見るとは思わなんだ。あ、愛一郎さんは大谷吉継を演じてる片岡愛之助さんのお弟子さんです。愛之助さんがめちゃめちゃ可愛がってイジってる方です(←半沢の黒崎モデルになったことでちょっと有名に 笑)

第32回放送で家康からケチョンケチョンにやり込められた三成は我慢の限界に到達して仲間を募って家康暗殺を企てることになります。最初、この事件は「七将襲撃事件」のことかと思ったんですが違うようですね。架空の出来事というわけではないらしいのですが、展開的には実際に起こったことをモチーフにした創作とのことです。とことん細かく三成の悲劇への道を描いてるなと思います。それだけ三谷さんの三成への想いが深いのかもしれません。
三成の元に集ったのは、やる気満々に燃える宇喜多さんとあまり巻き込まれたくない感が滲み出てる秀秋。秀秋役の浅利君は『軍師官兵衛』の時にも同じ役で出演しているとあってめちゃめちゃ違和感なく見れてます。あの時は出番少なかったけど、今回はその空間を埋めるかのようにたくさん描かれているので面白い。そしてもう一人、重要人物も召集。ここでやっと出てきました・・・島左近さん。だいぶ前に三成に重用されているはずなんですが、ようやく満を持しての登場ですね。でもなんというか、降って沸いたような登場でもある気はしましたが

この島左近登場と共に懐かしい人物も再登場。あの、北条家を必死に守ろうと奮闘していた板部岡江雪斎さんです。いったん出番が終わったかなと思ったあのシーン、去り際にもナレーションでその後のことなど一切語られてなかったので妙な違和感を持っていたのですが、ここで出てくるためだったのかと納得。
聞けば、現在は金吾(小早川秀秋)に仕えているらしい。ん?小早川に…?そうか…。久々に再会した源次郎とは以前とはちょっと違う関係性が生まれていてちょっとホッとするシーンでもありました。しかし、彼の想いはそんな単純なもんじゃないってことが後々分かることになります

三成の家康襲撃計画にはしたがっているものの、源次郎的には本当にそれでいいのか葛藤が起こっているようです。その気持ちを三十郎に打ち明けているシーンが印象的でした。やっぱりこの二人の関係性、好きだな
源次郎はこれまでは真田のためにというベースで動いていた部分が大きかったけど、今回ばかりはそれとは意味が違うことに大いに悩んでいる様子。自ら三成の元で働きたいと申し出てしまったからには、彼のために尽くさなければならないと言い聞かせる姿は苦しくも切ないものがありました。徳川の力の強大さは源次郎自身、肌で感じてただろうからすごく悩んだだろうなと。でも三成の想いも分かるから源次郎なりの「義」を貫こうとしてたんだと思います。
軍議の席で源次郎はさっそく才能を発揮。徳川屋敷を攻めるための方策に誰もが感嘆、三成からも「良き策じゃ」とお墨付きをもらいました。が、この計画はあっさり漏れてしまう。それを漏らしていたのが、誰あろうあの江雪斎。秀秋のところに身を寄せつつ徳川のスパイのような行動をとっていたとは…。北条家滅亡の時のあの悔しさや哀しみは彼の中ではまだ全然癒えてはいなかったのかもしれないなと思いました。

以下、追記へ。




江雪斎から家康襲撃計画の話を聞いた正信はさっそく家康に報告。ところが、前回あれだけ貫禄見せていたので対抗心燃やすのかと思っていたら…「まだ死にとうないわ!」とまさかの弱腰ヘタレ発言ww。こういう面をちょこちょこ出してくるから内野さんの家康って憎み切れないんだよねぇ
そんな家康を見て、正信は「三成はひそかに事を起こそうとしてるらしいけど、こっちが大事にして広めるっていうのはどうよ」と悪魔の進言ww。もう、トコトン怖いわ、今回の正信w。今までの作品の家康が言ってそうなこと今回は全部正信さんが担当しちゃってるような気がする。正信的には、今回の企てを逆手にとって豊臣方のどれだけの武将が徳川についてくれるのか見極めたいという狙いがあるようです。これを聞いて、逃げ腰だった家康さんに今一度エンジンがかかってしまいましたw。単純だよなぁw。
まずは、本多忠勝さんが大っぴらに兵を集めて檄を飛ばしまくって気合入れるところからスタート。あれだけ燃えてれば、嫌でも外に広がるよなw。

計画が事前に漏れてしまったことで源次郎は危機感を感じ、必死に今回の襲撃は諦めるよう三成に進言しますが聞く耳を持ってもらえません。三成的には自分のほうにこそ大義名分があるという絶対的な自信と信念があるためかなりの強気です。そこが彼の一番危険なところなんですよね…。冷静に周りを見極める判断能力がない。熱い男・宇喜多さんもやる気満々のため止められない源次郎のもどかしさが見ていて辛い
加えて、小早川君がめっちゃ不安そうで泣きそうな顔になってるのも痛い。彼的には「三成やめてくれよ」な心情なんだけどとてもそんなこと言いだせるような柄じゃないわけで(苦笑)。挙句の果てに三成から「お前、毛利を説得して来いよ」と言われてしまったものだから、もう、お気の毒としか言いようがない。秀秋くんは秀次君以上に生まれてくる時代を間違えた人物だよなぁ…。

源次郎は上杉の説得を三成から頼まれてしまう。トコトン覚悟が決まらず不安にさいなまれている秀秋に対し、源次郎は「こうなったら石田さまについていくだけだ」と覚悟を決めて突き進みます。あの時もっと強く反対していても…結局はこうなっちゃうことが見えていたのかもしれない。
そして、出番がきました、上杉家。前回は一言もセリフがなく表情だけで存在感を出した村上さんの兼続、今回はちゃんとセリフついてて正直ホッとしました。源次郎が直接景勝にではなく最初に兼続に会うシーンから入ったのは、あれは、兼続の精いっぱいの御屋形様への心配りだったのだと思いました。そのことがセリフや表情に滲み出ていましたね。

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「これ以上御屋形様を巻き込むのは勘弁してもらいたい。おぬしが頼めば必ずあのお方は出来ぬ約束をされる。わしはもう、御屋形様の苦しむお姿を見とうはない」

兼続の御屋形様愛に溢れたこのセリフ、なんか感動的でした…!以前村上さんが「義と愛が滲み出るように演じられれば」と話していましたが、セリフの端々やちょっとした表情から御屋形様に対する想いが滲み出ていましたよ。
それでも何とか加勢してほしいと源次郎から懇願される兼続。徳川を敵に回すことは得策ではないと語る中にも源次郎への複雑な感情が見え隠れしていました。必死に頼みに来ている源次郎の想いにも本当は応えたいと思ってるんだけど、現実問題として今徳川に逆らったら上杉家も危なくなるかもしれないわけで…。

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「これ以上は時の無駄である」

この時の兼続のセリフの中にはたしかに源次郎への想いに応えられない無念さが滲み出ていて泣けました。御屋形様を守るのが兼続の第一の使命でもあるんだけど、源次郎への気持ちも以前とは違って親しみを感じていたからこそ応えたいという想いもあったと思うんですよね。「弟のように想っている」という村上さんの兼続論がこのシーンの中にすごく生きていた気がしました。
兼続と源次郎の会話をふすまの外からそっと聞いていた景勝。息子のようにかわいい源次郎の願いを聞いてやりたい気持ちは募れども、上杉の家のことを考えると兼続の言う通り協力できないことは重々分かっているだけに辛いところです…。そっとその場を離れて「すまぬ…源次郎」と呟く姿が泣けました。ホント、今回の景勝さまは儚すぎるわ…。

そしてさらに辛いことになっていたのが吉継さんです。前回に比べてまたさらに病状が悪化しているようで息をするのも苦しそう。そんななかでも三成のことを気にかけているところがまた泣けます…。吉継が一番危惧しているのは、味方が揃わなかった時の三成の暴走でした…。やはり固い友情で結ばれている二人、よく分かってるなと思いました。
一方、真田のほうにも徳川から召集の文が届いている様子。手回しが早いことに衝撃を受ける源次郎。昌幸と源三郎はどう対応するのか気になるところです。これに対し、昌幸パパは
「この前家康に刺客放ったばっかりなんだから行けるわけないだろう!」
とww。はい、ごもっともなご意見でございます(笑)。一番複雑な立場にいるのが源三郎。徳川方に怖い義理の父もいますからねぇ…とりあえず形だけでも行かざるを得ません。
「敵味方に分かれて戦うのだけは勘弁してくれ」
という兄・源三郎の言葉が胸に沁みます…。これはおそらく遠くない未来に訪れる悲劇を予感させるセリフで、なおさら切なかったですね…。

そんななか、寧から呼び出しを受けてしまった源次郎。秀吉の死後のこの混乱ぶりにひどくご立腹の様子。どうやら秀秋が泣きついたようで…彼の弱さを同情する寧は「秀秋巻き込まんでちょうだい!」と源次郎を叱責。こればかりは源次郎責められてもねぇ…三成だから、命令したの。でも、寧さんから見ると、もはや三成も源次郎も同じ穴のムジナ状態。正則や清正までもがどちらについた方がいいか相談に来たらしく、彼らを子供同然に接してきた寧さん的には「彼らを惑わすなんて、佐吉いったい何考えてるのよ!」って感情なんですよね。
そんな突き放したような寧さんの根底には、やはり、病床の秀吉に無理やり遺言状を書かせてた現場を見てしまったことや、無神経に秀吉の甕の話をされたことへの嫌悪感が関わっているような気がします。豊臣の為という一心で起こしていた三成の行動は寧達には人情味に欠けるものとして写り…結果、離れていってしまった。
その誤解を解くことが、源次郎にはできない。それが切ないです
色んな人の想いに触れて混乱していた源次郎は、いつも忌憚ない発言をするきりに意見を求めます。彼女的には、三成はプライドが高いし、自分が言いだしたことだからきっとやめたくてもやめられないのではないかという考えらしい。意見的にはまっとうで源次郎も大いに参考になったようですが…やっぱり私はあのきりの言動と態度が受け付けない。いまさら言ったところでもうどうにもならないって分かるんだけど、彼女が後に…って思うだけでほんとゲンナリするんだよね(苦笑)。

とりあえず目立たないように顔だけ出すつもりで徳川屋敷に赴いた源三郎。ところが折り悪く豪胆な義父さん・忠勝がやって来てしまって「婿が来てくれたぞぉ!!これでもう怖いものなしじゃ~~!!」みたいに猛アピールされ目立たないどころか大いに目立ってしまうww。なんか、色々、ツイてないよね、源三郎
しかしこの一件でますます徳川とは縁が切れなくなってしまうわけで、後々のこと想うとあまり笑ってもいられない。
その頃躍起になった三成は秀頼の元に出兵してほしいと頼みに行ったものの淀のお付である大蔵局に猛反発を食らいます。これ、今までの戦国ものだと淀自身が拒絶してるシーンが多かったんですが今回は淀は蚊帳の外に置いて周りが表に出て交渉してる感じになってますね。たぶん後半には彼女も出てくると思うんだけど…。兵の士気も上がるからなんとか形だけでもと懇願する三成必死の説得も結局届くことはありませんでした。どんどん孤立していく三成の様が虚しい…。

徳川屋敷には政宗など有力武将が次々に集結。迷っていたという清正や正則も結局徳川方に駆け付けていました。源三郎はそんななか家康はいざという時誰が一番頼りになるか試しているのかもしれないと鋭い指摘。うん、やっぱりお兄ちゃん冴えてるね!その後強引にすっ飛ばされた綱家さんはお気の毒だったけど(笑)。
そこへ、何やら含んでいる様子の本多親子が登場。「豊臣への忠義で集まってくれて感激だ!!」と豊臣フレーズをわざと強調(苦笑)。当然集まっている武将たちはその言葉に士気が上がるわけで…もうこの、いろいろ仕掛けてくる親子、ほんと怖いw。さらに父ちゃんの血を受け継いでる正純さんが「この前の家康襲撃の主犯も三成だったらしいよ」と吹聴したもんだからますますみんな燃え上ってしまう。親子してガンガンとガソリン注入してる感じ
皆が三成憎しで盛り上がっている中、一人だけ違った意味で怒りに震えている人物がいました。三成を心のどこかでまだ信じようと思っていた清正です…。堪らずに徳川屋敷から飛び出した清正は三成に会いにやって来る。兵を引くよう説得しようとしますが、逆に徳川についた清正を責める三成…。清正的には家康は秀吉に命じられて今の地位にあるという考えからそちら側についたということだったようですが、当然三成はそれに納得しようとしません。いつまでたっても平行線な二人…。それでも必死に三成の心に入り込もうと腕相撲に誘ったり涙ぐましい努力を続けてる清正、彼はたぶん数少ない三成の理解者の一人なんですよね。
「よっぽどなんだろう!?よっぽどなんだよな!?」
一度振り上げたこぶしの収め所が分からなくなっていることを見抜いている清正のこの言葉に、なぜ三成は応えようとしなかったんだ…、拒絶をしてしまったんだ…。手を差し伸べようとしてくれている友の手を、三成は自らの手で断ち切ってしまった…。そこがもどかしいところでもあり、彼の哀しいところでもある。なんかやりきれなかったですねぇ。だからこそあの未来が待っているんですけど…。

味方が集まらず、いよいよ神経性の腹痛を引き起こすほど追いつめられていく三成。イライラモードもMAXにかなり近づいている危ない雰囲気。三成はもとより、あの場に集まってる信繁たちの気持ち考えるといたたまれないものがある。宇喜多さんでさえ三成を「どうもイラっとさせる男だ!!」と言っちゃうくらいですから相当フラストレーションあったんじゃなかろうか(苦笑)。
そんな雰囲気のなか、起死回生の策として三成は細川忠興の元へ向かいます。歴史的には三成と忠興はかなり険悪な仲だったようですが、このドラマでは前回の寂しい食事会に忠興がやってきたりする描写があったのでそこは触れないのかなと思いました。干し柿を手土産に忠興邸を訪れた三成。柿を渡されて始めはそんな気を悪くしていないように見えた忠興でしたが、間髪入れずに「その代り家康討伐にぜひ加わってくれ!」と突然本題を持ち出され急に機嫌を損ねてしまう。そりゃそうだ、柿で釣られる奴だって言われてるに等しいからね(苦笑)。食事会のときだってせっかく訪れたにもかかわらず挨拶もせずに立ち去られるという非礼を体験したわけだから三成に対する心象が悪くなるのも当然です。
ところが、三成は忠興がなぜ柿持って行ったのに激怒してしまっているのか全く分かっていない。本当にトコトン人と接するということがどういうものなのかを知らないんだよなぁ…。ちなみにこの柿のエピソードは場面は違えど逸話としてあるそうですが、本当にあったことかどうかは定かではないようです。しかし多分、後半、最も悲しい場面でもう一度柿は出てくると思うので…そう考えると切ないです
この件で完全に三成に対する怒りが膨れ上がった忠興は徳川方につく決断をします。またしても三成は自らの行動で人を失ってしまいました

いよいよ四面楚歌になっていく三成に危機感を募らせた源次郎は昌幸にある策を打ち明けます。真田までもが家康についたと知れば三成はきっと挙兵を諦めてくれる、だからここは家康方についてほしい…と。こういう時も源次郎のキレる頭は頼りになりますね。その策に乗って意気揚々と徳川に向かう昌幸ですが、彼にはそのほかにももう一つ思惑がありそうな感じです。
同じころ、吉継を訪ねた三成は病身を押して彼が徳川方につこうとしていることに大きなショックを受けます。と、このシーンで、やっぱり出てきました、愛一郎さん!!刑部さんの鎧をつけるお付の役でしたが、それを見たダンナが一言・・・「あれって、いつもやってることじゃないの?」・・・www。たしかに、愛之助さんのお弟子さんですから衣装の手伝いは愛一郎さんのお仕事でもありますからね。さらにセリフが一言もなかったので、なおさら付き人感が満載でwww。ただ、役名が付いているので次回以降また活躍の場があるのかも?と少し期待していますw。

家康の元へ行こうとしていることに激しく動揺する三成に対し、「家康が秀頼を盛り立てて行くことが豊臣の生き残る道だ」と主張する吉継。彼はまだこの時点では徳川の野望には気が付いていないのかもしれない。そんな吉継に三成は秀吉が死の間際に自分に対して「家康を殺せ」と言残したことを告白。この秀吉の一言がずっと三成の心を呪いの言葉のようにがんじがらめにしているのかと思うと苦しくなりますね。その呪縛から解こうと吉継も「死を間際にした老人の言葉に惑わされるな!」と決死の説得。秀吉に対して一歩引いた目でずっと見ていたからこその吉継の言葉だと思います。でも、三成的にはその言葉は逆に心をさらに閉ざすものでしかない。
目の前のことしか見えていない三成を弱った体で必死に説き伏せようとする吉継…。現実をしっかり見る様にと激しく詰め寄る姿に、三成は次第に心の内側を見せていく。
「もはや手遅れじゃ」
この言葉を引き出した大谷刑部、ホント、すごいと思った。本当に心が結ばれた友情がなければあの魂の説得はできない。弱みを見せた三成に
「おぬしを咎める者がおれば、わしが抑える」
と頼もしい一言を贈ったこのセリフ、泣けました。いやぁ、さすが歌舞伎役者の愛之助さんですね。三谷さんはたぶんこのシーンを見越して愛之助さんを大谷吉継役にとオファーしたんじゃないかと思ったくらいの熱演でした。歌舞伎役者ならではのセリフの重みみたいなものがビシビシ伝わりました。

三成の想いを背負ったまま徳川屋敷に赴く吉継を家康は歓迎します。そこにすかさず正信が「我が主のために石田治部を懲らしめてやってください!」と畳み掛けてくる…抜かりないわ~、この人。しかし、その言葉に乗らないのが吉継の器量。「家康のために来たんじゃなくて、太閤殿下が築いた太平の世を乱す者をただすために来たんだ!」と豊臣の為であることを強調。苦しい息のなか、秀頼の家臣であるという立場を大勢の前で明確にする吉継のほうが正信たちよりも一枚上手に見えましたね。集まった武将たちも「豊臣のために来た」って意識を改めて強くするわけですから。そこの部分だけはブレちゃいけない。そんな吉継を苦々しく思う正信でしたが、逆に家康はそんな吉継の器量に感動した様子だったのが印象的でした。
そこへ、真田昌幸が意気揚々と登場。最後の大物感半端ないww。ここで一気に真田の立場を大きく見せるっていうのも狙いだっただろうね。周りからヨイショしまくられ、気分良くなった昌幸は源三郎に目配せ。あれで父親のやろうとしていたことを瞬時に把握した源三郎、すごいっす!!皆の目の前で徳川屋敷の地図をおもむろに広げ、それを見た昌幸がいつの間にか軍議の主役に躍り出るという荒業ww。真田のアピールをこれでもかとやってくる親子に違和感持った清正が「なぜ最後に来たお前が仕切ってるんだよ」と文句を言えば「発言するときはちゃんと名乗ってから言え!」と逆に説教ww。昌幸の意図を感じ取った吉継も後方支援する形で完全に主導権を握ります。さすがは策略家、久しぶりに本領発揮。それにしても、各武将が揃いも揃って言われるままに発言後に自分の名前をいちいち述べてたのには正直ちょっと、苦笑い。面白いけど、私は個人的にこの作品の中ではああいうシーンは求めないので…すみません。
でもまぁ、自分が家康を襲撃する企てに参加しておきながらわざとらしく「石田治部がやったんだって!?ゆるせねぇな!」みたいにノリノリになってる昌幸パパのシーンは面白かったけどww。

徳川屋敷が盛り上がり、三成たちが悲壮な覚悟を固めた頃…動かなかった上杉家では景勝が進むべき道について考えをめぐらせていました。
「石田治部はどうだ?」と三成の人となりについて兼続に尋ねる景勝。それに対して三成は目先の利で動く男ではないと返します。「義のために命を捨てるか?」との問いにハッキリと「それができる男です」と返す兼続。

私は、個人的にこのシーンに激しい違和感を覚えてしまいました。せっかくの上杉の見せ場の一つだったわけなんですけど、兼続に「三成は利のために動く男ではない」とか「三成は義のために死ねる男」と断言させるためのこれまでのドラマの中での過程があまりにも乏しすぎたために響いてこなかったというのが正直なところです。
本を読んだりして兼続と三成が良好な友情関係にあったらしいということは知っているので、個人的には兼続がこのように景勝に進言するのもありかもしれないと思います。が、『真田丸』というドラマの中でそれを匂わせるような二人のエピソードがあったでしょうか?改めて初めて上洛したときの「秀吉」エピソードを見てみましたが、あの頃から三成を高評価している兼続に正直少し違和感はあったんですよね。ドラマの中で彼をそこまで思わせるエピソードがなかったので。意気投合するようなシーンもほぼ皆無に近い。見る方は、ほんのわずかの行間や役者さんの演じる想いを想像してそこを補うしかないわけで…だとしたらドラマ的にものすごく不親切だなと思いました。「分かりやすさ」を売りにしてましたよね、今回の大河ドラマ。その中で一番分かりにくいのが上杉(特に兼続)と三成の関係だと思います。
これまで、真田の物語なんだから上杉は脇役的立場で仕方ないんだと半ばあきらめの境地で見ていましたが、このシーンだけはちょっと、個人的に、違和感というか…少し嫌悪感持ちました。あの三成に対するセリフを言えるのは、『天地人』で描かれていた兼続であって、『真田丸』で描かれている兼続ではないと思うのです。今回の大河であれを言えるのは、源次郎か刑部だけだと思うんです。
真田丸に出てくる上杉主従は基本的に大好きだし、村上新悟さんが演じている兼続も本当に大好きです。そこの部分だけは決してブレていないんですが、展開的に…好きだからこそ、納得できなかったことが悔しくてなりません。あのセリフを『真田丸』の兼続に言わせたかったならばせめてそれを匂わせるような上杉のシーンを1つ2つ出してほしかったです。

徳川屋敷には大谷の旗のほかに真田の旗も上がり、三成は愕然とします。これで出兵を諦めてくれることを心の底から願っている源次郎は声を荒げて必死に説得しようとしますが、ヤケになって後戻りできないプライドの高い三成はそれに応じようとはしない。あれだけ三成を想う気持ちを吐露して引き留めようとしてるのに…もう、本当にもどかしくて仕方なかった
そのタイミングでさっそうと現れたのが上杉主従です。景勝の説得にも最初は応じようとしなかった三成でしたが…

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「徳川内府は、わしが倒す」

という御屋形様の鬼気迫った一言に三成と源次郎は衝撃を受けます。続けて「御屋形様は本気になられた」という兼続の言葉に、今度こそは今度こそなのか?と半信半疑の気持ちが沸き起こったに違いないw。でも、「太閤殿下の前で誓ったことを破るものは義を知らぬ者、義をないがしろにするやつは許さない!こちらに義があるんだから、近い将来共に大戦を仕掛けよう!!その時まで待つんだ!」といつも以上に熱っぽく語る御屋形様の言葉に信頼度が上がっていく二人。
頼もしい言葉に、ついに心を開いた三成をダメ押しとばかりに景勝は万感の想いをこめて抱きしめます。いやぁ、すごいな、御屋形様の癒しパワー。最後に美味しいとこ全部持って行った感じがしたよw。あれだけ頑なだった三成を思いとどまらせるんだから、この人は最強なんじゃないかって思ってしまう、人間的にね。前回すごく違和感持つほど弱っちょろかった御屋形様がなんとか上昇気流に乗ってきたようで少し安堵しました

三成がようやく戦を思いとどまったことで集まっていた武将たちも解散。
その背中の多さを改めて目の当たりにした家康は「ひょっとしたら、これ、天下取り本当に行けちゃうんじゃね!?」みたいな妙な自信が沸き起こってくる(笑)。その横でニンマリする正信。彼はその時を待っていたようです。家康に本気を起させるために色々と裏工作しまくってたわけですな。ホント、こわいおじさんや「おぬしも悪よのぅ~~」みたいな感じでニマニマする家康、なんかやっぱり憎み切れんわww。
その後、真田親子も退散。別れ際に意味ありげな視線を交わす昌幸と家康…。ひょっとしたら、二人が平穏まともに顔を合わせるのはこれが最後になったかもしれません。そのことが、源三郎と源次郎を苦しめる結果になっていくかと思うと切ないです。