1年間見続けてきた大河ドラマ『真田丸』がついに最終回を迎えました。私は応募していた最終回PVイベントに運よく当選することができ、大勢の皆さんと上田で観賞することができました(イベントレポはこちら。序盤ではもう見るのやめようかなと思ったこともありましたが(苦笑)、村上新悟さんの直江兼続にロックオンしたこともありw最後まで完走することができました。上田での皆さんの反応の様子なども併せて、最終回の感想を書いていきたいと思います。

OP音楽は最初に流れず有働さんのナレーション説明から始まった今回の「真田丸」。最終回なんだなぁとここで改めて実感。 
冒頭は帰路についた信之が小さな尼寺で一泊を過ごすといった意外にも素朴なシーンでちょっとビックリしましたが、なんとも三谷さんらしい始め方だなとも思いました。こういう素朴な場面を大切にされる方なので。 その泊まる部屋を相部屋にしてほしいとやってきたのがこれまた意外にも本多正信さん。家康に最後の調略を授けてから陣を離れたんですね~。この正信さんが登場した時はPV見ている会場も思わず「おぉっ」という小さな歓声が漏れていました。
「相部屋も知った顔なら楽しうござる」
と、最初は大歓迎ムードだった信之でしたが…深夜睡眠タイムに入るとその想いは一転ww。老人特有のピーピーする寝息と謎の寝言に睡眠を邪魔されてしまう羽目に。信之、やっぱり最終回も落ちありキャラになっちゃうのね~w。ここでは客席からもかなり笑い声が漏れておりましたww。

さらに意外だったのが、続いて登場した大坂城での一幕。大声で酒盛りして盛り上がっていたのは…
だめだ2
真田丸PRの特別映像のみ出演していた、ダメ田十勇士の皆さんじゃないですか!お笑い芸人さんが多数参加していて話題となりました(真田十勇士をパロッテます)。これフルバージョンで見るとけっこう泣けるんですよね。DVD特典映像にあるのでぜひチェックしていただきたい。
そんな彼らがついに本編…しかも最終回に登場してくれるなんて何だか感無量。皆、死を覚悟しての宴でやたらテンション高く盛り上がっていましたが、そんなところに幸村がやってきます。これ、ダメ田のストーリーの伏線になるような場面だったなぁ。負けを覚悟している彼らの気持ちを察した幸村は静かに告げます。

「私は命が惜しい。だから明日も決して死なん。必ずここへ戻ってくる。命を惜しめ。そして、必ず勝て!」


もう本当に…堺さんの幸村の言葉には説得力がものすごく濃く詰まってる…。あの言葉を聴けば、十勇士たちだけじゃなくてこっちも生きるために戦おう!って思えるよ…!!「大したお方じゃ」と最後に一言セリフをもらった松ちゃん。大河ドラマ大好きで堺さんのモノマネもたくさんしてる松村さん、さぞかし感激しただろうね

幸村は佐助を伴いある場所へ向かう。それはあの台所…。静かに与左衛門の後ろに立つ幸村には静かな殺気があふれています。「もっと早く気付くべきだった」って言うんだけど、これにはホント心の中で「そうだよぉ!!」とツッコミ入れずにはいられなかった。めちゃめちゃ大事な作戦話をあんな場所で堂々と今までやってたわけだからねぇ…(苦笑)。ふつうもっと人気のないところでやるでしょうが~~。でもこうしないとドラマ動かなかったわけだから仕方ないけど。
与左衛門は徳川の冠者というわけではなく、単に家族を秀吉に翻弄されて失った恨みを晴らしたい一心だったことが判明。秀吉の女好きな性格が巡り巡って豊臣を滅ぼす原因の一端になっていたとはなんとも皮肉な話(苦笑)。これに関してはほんと秀吉弁護できんわしかし、生かしておくわけにもいかない。幸村が刀を抜いた瞬間、その隙を縫って自らの腹に刃を突き立て与左衛門は倒れました。
今から思うと、なんでこの時与左衛門の死を二人とも確認しなかったんだろうね~~~…

その後秀頼の前で作戦会議を行い、生き残っている諸将たちはみな打倒家康に燃えて気持ちを高ぶらせていく。
戦場へ向かう前、幸村は茶々の元へ立ち寄りました。彼女は何だか魂が抜けたようで目の前にはすでに「死」の影が見えているような惚けっぷり…。そんな彼女に「誇り高く生きてほしい」と懇願する幸村。それでも生きる気力を失っている茶々に死への恐怖を植え付けようとあえて残忍なたとえ話を披露していきます。あの話聞いたら、そりゃ死に対する考え方変わるよ。動揺し、過呼吸めいた症状を起こしてしまう茶々を幸村は守るように抱きしめる。

「茶々様は長い間悪い夢を見てこられたのです。それも間もなく終わります。私が連れ戻して差し上げます」

まるで兄が妹をなだめるかのような優しい言葉に思わずじーーんときてしまった。幸村と茶々は出会った時からここまで関係が長い。出会った当初、幸村は茶々から「同じ日に死ぬ」と不吉な予言をされていましたが…その運命をなんとか否定しようとここまで来たのかもしれません。
少し落ち着いてきた茶々に幸村は頼みごとをします。家康の首を取ればこの戦は終わる。そのあとは豊臣と徳川がともに話し合っていくことになるだろう。次に戦になれば豊臣は必ず負けると…。その言葉を聞いて茶々はその時にもう幸村がいないということを前提で彼が話しているのだと察して激しく動揺してしまう。そう、幸村は死なないと口では鼓舞していながらも、心の中では常に「死」を覚悟しているんですよね…
しかし、幸村は自分がいなくなるかもしれないのちの世の中を冷静に見ていた。徳川に有利な条件を突き付けて四国掌握の許可をもらうようにと…。万が一自分が家康を打ち損じ倒れたときは千姫を和睦の使者として使わすようにとも言伝る幸村。あの緊迫した状況の中、あくまでも冷静に豊臣家のことを思い考えていた姿勢には本当に頭が上がりません。堺さんが演じるとさらに説得力が増すので見ていてすごく切なかったです
幸村の覚悟に泣きながらも頷き納得する茶々。これが二人にとっての今生の別れとなってしまいました…

 赤備の支度をしに部屋に戻る幸村。鎧を作兵衛につけてもらっている中、ふと呟きます。

「私は、私という人間がこの世にいた証を何か残せたのか?」

それに対し内記は
「人の価値というものは 己が決めることではございません。時でござる。戦国に義を貫き徳川と渡り合った日の本一の兵として語り継がれるに相違ございません」
と答えます。あぁ、これは、三谷さんからの真田信繁(幸村)に対するありったけのメッセージだなって思いました 。内記のセリフに信繁への想いを乗せたものとしか思えなっかったよ…。

「大事なのは、いかに生きたか、でございますゆえ」

 内記の言葉を胸に、六文銭を握りしめ…兜を取る幸村。背後には早蝉の鳴き声が響いている。それは彼の終焉を予感させるような声にも聞こえてしまう…。「行ってまいる!!」と意気揚々と作兵衛と立ち去るその背中をじっと見つめる内記の表情がとても印象的でした…。これが二人の今生の別れとなることに

 それぞれの場所に布陣して緊張感を高める幸村たちですが、そんな中でも祈りは事欠かない安定の明石隊。まだ戦ってる姿、1回くらいしか見てないんだけど…最終回くらいは…ねぇw。
一方、徳川の陣では秀忠がなぜ仕掛けないとまた血気にはやりだしている。徳川方には豊臣恩顧の大名もいるのでうかつに先走れないとは家康の談。そんな時、ある調略の知恵を出したのが正純でした。 幸村が家康方に寝返ろうとしているという噂を立てればよいのではないかと、さらに豊臣に有利な条件揃えれば秀頼もやすやすとは出てこれない。いや~なんか、ここにきて父ちゃんの正信の血を感じさせるねぇ、正純さん
真田の陣では勝永や治長が秀頼の到着が遅いことに不安を抱いている。とりあえず、秀頼がいるという印として千成瓢箪を持ってきたとドヤ顔で話す治長。
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これがあれば秀頼本人がいなくても士気が上がるだろうということですが…、まさかこれが後々とんでもないことになろうとは夢にも思っていない。 

そしてついに、大坂夏の陣が始まります。きっかけは毛利勢が挑発に乗ったことだったので急ぎ陣に戻る勝永。「家康に陣で待っている!!」という言葉を残して…!!しかし二人がそこで出会うことはありませんでした…ということで、これが今生の別れということに 
秀頼は戦支度も整い戦場へ行こうとするも、またしても大蔵卿の言葉に遮られてしまう。幸村が家康に寝返ろうとしているという言葉は信用しなかったものの、幸村の兄は徳川方にいるという言葉に思わず怯んでしまう。罠かもしれないと必死に城に秀頼を留まらせようとする大蔵卿…。あまりの形相に秀頼も出ていくことができず、まずはその噂の審議を調べさせることになりました。前回幸村と和解めいた雰囲気になったんですけどねぇ…。やっぱり秀頼を外に出すということに関しては並々ならない抵抗感があったんでしょう、大蔵卿

破竹の勢いで本多忠朝隊を打ち破った毛利勝永隊!!さすが強い !!しかし、その勢いの先に構えていたのは真田信吉の陣…。信政は戦に出たくて仕方がない様子で今すぐにでも毛利隊と戦おうとしますが、茂誠や三十郎、そして信吉は毛利の後ろに幸村の隊があることを知っているためすぐに動くことができない。真田同士でぶつかることだけは何とかして避けたい…。私たちもそれは見たくない
決断を任された信吉は、攻めろとの命が下っていないということで今出ることを留まるようにと告げる。 しかしそれに素直に従う信政ではありません。茂誠が止める声も聞かずに刀を抜いて戦場へと駆け出して行ってしまいました…。急いでそれに従う三十郎…。結局毛利とぶつかることになった信吉隊でしたが、勝永の勢いの前に呆気なく敗れてしまったとのこと(有働さんのナレでしか語れませんでしたが 苦笑)

勝永の勢いを知った幸村は今が好機と戦場へ出る決断をする。しかし、未だに秀頼はやってこない…。そこで大助に秀頼の出陣を促してくるようにと伝えます。大助としては父と共に戦場へ出たい。そんな息子に対し「おまえは若輩の上に足に傷があるから足手まといだ」とあえて厳しい言葉を投げつける父・幸村…。
しかし、力強く、そして優しく息子の頬を包む幸村…。大助にだからこそ頼める大切な使命。たぶんそこには息子の命を惜しんだ気持ちも多分にあったのかもしれない。父の気持ちを汲んだ大助は佐助と共に足を引きずりながら大坂城へ戻りました。そしてそれが、親子の今生の別れとなってしまうことに…

その大坂城ではあの与左衛門が生きていて秀頼の前で「幸村に刺された」と訴えている!!だからちゃんと確認した方がいいってあの時思ってたんだよぉぉ~~!!!この事実を突き付けられた秀頼は動揺しまくり出陣どころではなくなってしまう。
幸村はその疑いを晴らすために出陣していくというのに…なんという皮肉


毛利隊に敗れた信吉の陣では怪我人の手当てで大変なことになっている。血気にはやって飛び出していった信政に三十郎や茂誠はその行動のせいで多くの味方を失った現実をあえて強く訴えます。いい薬になったとは思うけど、その代償はあまりにも大きいよな。 それに対して逆切れして腹を斬ろうとする信政…まだそんなダダこねてるのか!と思った時、兄の信吉は「信政は大御所様をお守りするために毛利勢に向かっていったのです」と弟をかばう発言をする。おかげで家康の怒りを受けなくて済むと礼を言われた信政はその言葉にどう反応していいかわからず立ち去ってしまう。
でも、これ、考えようによっては本当に信吉の言うとおりなんですよね。信政の行動は許されるっていうものじゃなかったけど、あの時毛利と戦ったという事実が、今後の徳川との関係にかかわってくる可能性は否めない。真田家存続のためにはあの行動も正解だったのではと思えるのです。それが分かる信吉、いい嫡男に成長したね

自分の不甲斐なさに陣の外で悔しさをあらわにする信政。そしてそれを見つめる三十郎…。
そんな彼らの前に真っ赤な軍勢が現れる…。その隊は…真田幸村隊…!!!!なんて残酷な運命
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しかしそこは戦場。三十郎は今は徳川方…。見たくなかったけど、だけど、三十郎は迷いを吹っ切るように幸村隊に襲い掛かっていきます。とうとう恐れていた、真田同士の戦いが始まってしまった
真田の兵を斬り捨てる三十郎の姿を馬上から見つめる源次郎…。その視線がぶつかったとき…、三十郎は心の迷いを振り切るかのように源次郎に槍を向けて突進する。それを受け、弾き飛ばし、「小者にかまうな!!」と立ち去っていく源次郎。彼は三十郎を振り返らずにその場から駆け去っていく。それは源次郎の三十郎に対する最後の思いやりのようにも見えて…もう、泣けて泣けて仕方なかった
後ろからついていく作兵衛は三十郎に駆け寄り涙を流す…。こんな形で再会したくなかった二人がもう、切なくて切なくてたまりません。それでも二人は別れなければならないのです…。

去りゆく源次郎の背中を見つめた三十郎。あんなに大好きだった源次郎の背中が遠ざかる。堪えきれない涙と共に三十郎はその名前を叫びます…

「源次郎様ぁぁぁ~~~~!!!!」

もう、ほんとうに、ここにきてまさか、三十郎に号泣させられる日が来るとは思いませんでしたこのシーンだけは本当に泣きましたよ…。涙なくしては見れない、切なすぎて。会場からもすすり泣く声があちこちから聞こえてきてましたし…。今思い出すだけでもほんとこのシーンは泣けます。

幸村は後ろを振り返らずひたすら突っ走る。

「狙うは家康の首!!!ただひとぉぉぉつ!!!!!」

そう、幸村の目にはもう、家康のことしか見えていない。堺@幸村のあの魂の叫び声は心が震えますよ!!あんな大将だったらみんな死ぬ気でついてくよ!たとえ銃で撃ちかけられても、顔にかすり傷を負いながらもただ前を向いてひた走る真田信繁は最高にカッコいいここのバックで流れる真田丸のテーマ曲も高揚感を感じさせる最高の演出でした。

家康の陣では幸村が近づいていることが知らされ大混乱。本陣を捨てて逃げにかかった家康。
 もう泣き顔入ってて必死の形相w!!いやぁ、内野さん、ほんとこういう芝居も最高に上手いな面白かったんだけど逆に感動もしちゃったよ!!老人・家康の情けなさみたいなものがすごく伝わる。
幸村が到着した時には家康の姿はもうありませんでした。残された馬印を倒したのみ…。

秀忠の本陣には大野治房が破竹の勢いで襲いかかっている。めちゃめちゃ威嚇の声を上げてた秀忠でしたが…最後はやっぱり怖くなって本陣から逃げ出してしまうありさまww。この時の源くん秀忠の情けなさが面白くて会場からもけっこう笑い声が湧き起ってました。なんか、あの父ちゃんの息子だよなって思えるシーンだったなw。 
一方の家康は必死に走ってきてもうダメってところまで追い込まれている。もうねぇ、内野@家康の駆け回ってきて疲れ切ったあのゼェゼェ声がめっちゃリアルでビックリですよ!!本当に何キロって走らされたんだなっていうのがすごく良く分かる。内野聖陽、やっぱりすごい役者だって思いましたよ本当に
もう疲れ切って動けなくなった家康は死を覚悟して切腹しようとします。が、正純たちが全力でそれを阻止!!
おおごしょ
この、祭りだわっしょい状態で運ばれていく家康のシーンでは、上田の会場からもかなり笑い声が漏れておりましたwww。

ここまでの流れは圧倒的に豊臣方が有利。もうこのまま終わってほしいと思った時です…。
大野治長は戦局が有利と見て「今こそ秀頼出陣のチャンス!」とニヤリと勝利を確信し大坂城へ秀頼を呼ぶために戻っていく。この時、配下の一人が千成瓢箪の旗印はどうするか尋ねたところ…
「むろん、持ってまいる」
とドヤ顔で一緒に来るように促す治長…。この、何気ないやり取りが後々大変な事態を巻き起こすことになろうとは…。っていうか、それって秀頼がいるって証のために持ってきてたんだよね?だったら戦場にそのまま見せとかなきゃいけないもんじゃないの??なんで持って帰る許可出しちゃったの、治長~~って、今だから思えることなんだよねぇ、残念ながら。

大坂城へ引き返す治長と一緒に去っていく豊臣の旗印。これを見た雑兵たちは当然、秀頼が大坂城に逃げ帰っていると思ってしまうわけですよ…。イケイケモードで戦っていた勝永の隊の兵士たちもそれを目撃して動揺を隠せない。
さらに与左衛門が城の中で火を放って燃やし尽くそうとしているじゃないですか!!あんた、そんな元気がまだあったんか~~~。 
その燃えてる城を家康が見過ごすはずがない。大坂城で何かが起こっている、これは戦局が変わる好機ではないか!?めっちゃビクビクして隠れてた家康でしたがww燃えた城を見るやサッと立ち上がって陣形を整えるように指示。こういうところに徳川家康の凄さを感じます。そして戦局が変わったのを息子の秀忠も悟って陣形を整えます。こうして一気に徳川が息を吹き返していき、幸村隊は徐々に押され不利な展開を強いられてしまいます

そんなことになっているとは知らない大坂城。到着した大助は必死に秀頼に出陣を促しますが、与左衛門の一件があったからか素直にその言葉に乗ることができない。与左衛門の話を聞いた佐助は驚き、彼こそが裏切り者だと訴えたものだからさらに大混乱。
そんな時に、意気揚々と帰ってきたのが治長。戦局が徳川に傾いたことを知らない彼はドヤ顔で「今こそ出陣のとき!!」と秀頼に告げ、これはもう行くしかない!と秀頼も腹をくくる。ところがその直後、 馬印が大坂城に戻ったことで戦局が一気に悪化したと報告が入る…。その時初めて治長は事の重大さに気づくのです

「なぜ 持ってきたぁぁぁ!!???」

このシーンで思わず笑った人多数w。いやもう、なんか、笑うしかないよね、みたいななぜ持ってきたって、あなたが持って来いって言ったからでしょうが彼を責めるのはお門違い・・・っていうか、それどころかもう、時すでに遅しですから(苦笑)。治長、やらかしちゃいましたなぁ…。次々ともたらされる悪い知らせに
「どうやら、流れが変わったようです…」
としか言葉を発することができなくなりましたあ~~~~・・・・もう、なんもいえねぇ・・・・・。この時、大坂城にいた誰もが負けを覚悟していました。その無念の表情に胸が痛かった

徳川に推された真田・毛利を助けるために向かった明石隊も徳川勢に圧されて撤退を余儀なくされてしまった様子。

全登さん、ついにあなた、ほとんど戦ってるシーン映してもらえずお祈りばっかだったねぇぇ

大坂城では覚悟を決めた秀頼が出陣しようとしますが、それを茶々は必死に止める。息子が死ににいこうとしているのが分かっていたから…。「勝つのではなく生きる道を選ぶのです!」と、あんなに死を意識していた母が生きる道を模索しろと息子に訴えているなんてねぇ。幸村のあの最後の言葉が響いていたのでしょう。
「望みを捨てなかった者のみに、道は開けるのです」
これ、本当に名言だと思います…。母の言葉に一縷の希望を託す秀頼の涙が切なかった…。その茶々の生きるための策とは、幸村が言残した千姫を秀忠の元へ和解の使者として送ることでした。そこできりの出番です。燃える城の中、千姫と共に脱出。千姫には秀頼への未練は感じられなかったけどね…。
逃げる最中、きりは戦場で戦う幸村の姿を見ます。必死に戦う愛する人をどんな思いで眺めたのかと思うと切ない…。

城では攻め込んできた徳川兵を食い止めるために内記が奮戦している。共に戦おうとする大助を必死に説得しその場から離れさせると、やがて力尽き…昌幸の遺影を抱きながら旅立っていきました…。内記さん、最後まで真田に尽くしてくれてありがとう…。昌幸さんの元へ無事にたどり着くこと願ってます。

そして戦場で傷を負いながらも城に戻ってきた作兵衛は自分が作った畑で奮戦し、やがて力尽きます生きるために作った畑の上で力尽きた作兵衛の姿を見るのは辛かった。梅さんの元へ旅立ったんだね…。

そして幸村は多くの人の想いを乗せてついに家康の陣にたどり着く。家康の姿を確認するや否や、馬上筒をとりだし威嚇射撃をしたのですが、弾は誰に当たることもなく通り過ぎていきました。その銃はすぐに捨てたところを見ると、おそらく弾は1発しかなかったのではないかと…。
そしてもう一つの銃を家康に向けて構える幸村。そんな彼の覚悟を肌で感じた家康は自分を守ろうとした兵士たちを「手を出すな!!」と制し二人だけで対峙することを望みます。ここが家康の大きさだなと思いました。ただ怖くて逃げ惑うだけの爺さんじゃないっていうのが、あの貫録ですごくよく伝わってくる。まさに幸村の前に立ちふさがるにふさわしい最後にして最大の壁ですね。

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広い原野で家康と対峙する幸村。この時の映像がすごく美しくて緊張感あふれていてとても印象的だった。

銃を構える幸村に家康は叫びます。

「殺したいなら殺せ。されど、儂を殺しても何も変わらん。徳川の世は盤石、豊臣の天下には戻らん。戦で雌雄を決する世は終わった。おぬしのような戦でしか己の生きた証を示せないような輩のいるところなどどこにもないわ!!」

その言葉を受け終わる前に幸村は叫ぶ。

「そのようなことは百も承知!!!されど、私はお前を討ち果たさねばならんのだ。わが父のため、わが友のため、先に死んでいった愛する者たちのために!!」

幸村をこの戦に駆り立てたのは、豊臣家のためという大義の前に、彼がこれまでかかわってきた愛する人たちへの想いだったんだなっていうのが、この言葉でズンと伝わってきました。幸村は、愛する者たちのためにこの戦に突き進んでいたんだって思ったら何だかもう、泣けて泣けて仕方なかったです

そして銃口を家康に定め引金を引こうとした瞬間、違う銃声が戦場に鳴り響く。その引き金を引いたのは幸村ではなく、家康の息子である秀忠でした。家康を撃とうとした幸村を秀忠が逆に襲ったっていう、この関係性に時代の変化を見た気がしましたね…。
秀忠の登場に最初は喜んだ顔をした家康でしたが、すぐに「遅い!!」と怖い顔になっちゃうのが何だか人間味があって面白かった。秀忠もそんな父の想いが分かっていた様子。家康は内心息子の成長が嬉しかったと思うよ。
左手を打ち抜かれた幸村はもはや銃を構えることができない。そこに襲い掛かる秀忠の軍勢。幸村を振り返りつつ手を引かれ逃げていく家康…。彼は決して幸村を憎んでいたわけではなかったんじゃないかなと思います。むしろ欲しかった人材。それを惜しむ気持ちはあったのではないかな…。

幸村の戦いぶりを丘の上から眺めるのは伊達主従と上杉主従…。この二組が一緒にいるとはねぇ…(特に政宗と兼続は仲が悪かった説ありますから
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幸村の雄姿にただ見事だと言葉をかけるしかない政宗。それに対し、

「武士と生まれたからにはあのように生き、あのように死にたいものだ…!」


と呟く景勝。そう、幸村の生き様はまさに御屋形様の理想そのものなんですよね…。義のために戦う幸村に対して愛情と羨望と…いろんな想いが渦巻いていたと思います。

源次郎の戦いっぷりを同じ想いで眺めていたであろう兼続。その想いを振り切ろうとするように
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 「戦は終わり申した…。戻りましょう」

と、静かに告げます。直江兼続、最後のセリフ…。ここに村上新悟さんはどれだけの想いを込めたんだろう。兼続の年輪、源次郎への想い、御屋形様への想い、そしてその先の上杉への想い…。あの表情にいろんなものが込められているんだと思ったら何だか涙が止まりませんでした 。この数年後、兼続もこの世から旅立つわけで…そう考えるとさらに切なかったです。

兼続の声に従って戻る伊達主従でしたが、景勝はまだその場を動こうとしない。そんな御屋形様の姿を振り返り見つめる兼続の姿もとても切なかったです。そして景勝は一言だけ別れを告げるのです…。

「源次郎、さらばじゃ・・・!!!」

もうねぇ、この、目にいっぱい涙をためての御屋形様の表情、気持ち・・・全てに号泣しました。息子みたいに思ってたんだもん…。どんな気持ちであの別れの言葉を口にしたかと思うと…もう、たまらなかった。兼続もそんな御屋形様の気持ちを察してるし、同じ気持ちだったと思うよ。だけど、彼らは前を向かなきゃいけないんです、上杉家のために…

ありがとう、上杉景勝、そして直江兼続!!!

あなたたちがいたから、私は「真田丸」を1年間見ることができました…!!!最高の主従でした

このあと、寧さんのもとに大阪城のことを伝えに来た片桐さんの姿が出てきて会場が軽くざわめいてました。片桐さん、確か以前、有働さんのナレ死があったはずなんですけど…、この時点ではまだ生きていたということで…よかった。

そしていよいよ場面は終局へ。映しだされたその場所は…安居神社ではないか…!!!あぁ、幸村についに最期の時がって…このシーン出てきただけで胸が痛くなりました。戦い疲れた幸村と佐助は安居神社で一時休息を取ります。そこへ二人の兵士がやってきて、観念したように首を差し出そうとする二人でしたが、寸でのところで逆に敵を倒す。ここは意外でした。幸村は首を差し出したって説もあったようですからてっきりそちらを取るのかと…。
ちなみに、佐助に襲い掛かったのは林邦史朗さん亡き後殺陣を担当されていた中川邦史朗さんだそうです。真田丸は林さんの遺作になっちゃったんですよね…。

もはや幸村にも佐助にも戦うだけの力は残されていない。

「ここまでのようだな…」

生きることに拘り続けてきた幸村の、この言葉がなんとも重く響いて…あぁ、ついにその時が来てしまうのかと私も覚悟しました…。その眼はまだギラギラしているのに体がもうついていかないんだね…。

幸村 「いくつになった?」
佐助 「55にございます」
幸村 「・・・・・・・・疲れたろう?」
佐助 「全身が痛うございます」
幸村 「・・・・だろうな・・・・」

この二人のやり取りに、上田の会場、軽くざわめきと笑い声が湧き起りましたですよ。いや、だって、佐助…55歳だったの!??って!これホント最後に驚愕しましたw。「全身が痛い」と素直な感想を述べた佐助にはちょっと笑いも起こったしね。堺さんですら台本読む前まで佐助は年下だと思ってたっていうんだから、そりゃ視聴者はもっとびっくりしたよ。55にしてはすごい機敏に戦ってたよな佐助。すごい男だった。

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切腹の覚悟を決めた幸村の手には六文銭が…。三途の川の渡り賃と言われている六文銭…。そして真田の誇りである六文銭を握りしめ、静かに地面に置く幸村…。その一連の動作があまりにも静かで、そして美しくて、もう見ているだけで泣けました

この世から去る前、幸村は色々な人のことを想う。

大坂城では秀頼をはじめとする一同が燃え盛る大坂城を見つめながら覚悟を決めている。炎に包まれる城を見つめ絶望感にも似た表情を浮かべる秀頼に対し、茶々はその運命を静かに冷静に受け入れているよう。むしろどこかホッとした表情にも見えましたね…。彼女はもうすぐ自分が「死」という運命を受け入れ解放されていくことへ期待しているようにも想えました。
家康の陣には千が無事に到着する。父の秀忠や家康と対面した千は心から安堵したかのような笑みを浮かべる。あの様子だと、秀頼たちの助命嘆願という役目…果たす可能性が薄いな…これまでの千の描かれ方だと家康たちを猛烈に責めていたんだけど、今回は再会できた喜びの方が大きい様子だった。もしかしたら、これがリアルな当時の千の気持ちだったのかもしれません…。親子の対面を見届けたきりは、そのまま大阪へと引き返す。彼女の運命がどうなったのかは誰も知らない…。

信吉の陣では、三十郎が信政に武術を指導していたり…信吉は本を読んでいたり…茂誠は匂い袋をかいで妻の松を想ったりとそれぞれの時間を過ごしている。戦が終わるときはもう近い。

春は娘と伊達の屋敷からどこかへ旅立とうとしている。不安に思う娘を気丈に励ます春…。

一番泣けたのが、すえ夫妻の幸せな姿です…。一番最初の妻・梅との間の娘・すえ。彼女の幸せを幸村は祈らなかった日はなかったと思うのです。彼の思い描いた人たちの中で最後にこの平和な姿が映しだされて…あぁ、よかったなって…。優しい旦那さんと幸せに暮らす愛娘のすえ…。きっと作兵衛もあの世で喜んでるはず。

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この世から旅立つ寸前、幸村は様々な人を脳裏に浮かべ、自分がこれまでたどってきた人生を噛みしめるように目を閉じました。その顔にはうっすら笑みも浮かんでいた…。
この最後は本当は幸村が望んだものではなかったと思いますが、それでもやれることはやりきったという満足感があったのではなかったでしょうか。これまで自分が歩んできた人生を振り返ったとき、幸村は…真田源次郎信繁はその生きてきた道に納得したんだろうなって思いました。そこで終える人生に悔いなし。哀しいけれど、どこか爽やかさすら感じる…素敵なラストシーンだったと思います

ありがとう、源次郎…。お疲れさま、源次郎…!!!!



その頃、信之は本多正信の領地である玉縄に入っていました。領民に慕われている正信を見て若干驚く信之。そんな彼に「領民には無理をさせず、かといって楽をさせず年貢をきっちり取る。そのうえで領主はぜいたくをしてはならん」と説いてみせる正信。奥が深いですね。その言葉は信之の心にもしっかり届いた様子。
と、そこへ伝令が大坂の様子を伝えに走ってくる…。そのただならぬ様子に信之はたぶん…すべてを察しただろうな…。そして正信はそんな信之の気持ちが手に取るようにわかる。何か言葉をかけようとするも…その言葉を全て飲み込んで信之の元から離れていく正信の思いやりがまた泣けました。今はたぶん、どんな言葉も信之には響かない…。

静かに歩みを進めた信之でしたが、ふと立ち止まっておこうから渡された六文銭を見つめます。その六文銭に信之は何を見ていたのか…。まず初めに思ったのはきっと最愛の弟のこと。真田の誇りを胸に戦い、そして自分の元から去って行った最愛の弟・源次郎…。そしてそのあと想ったのはおそらく、今後の真田のことだったのではないでしょうか。父や弟の想いをあの六文銭を見ながら改めて自分の中に受け止めていたんだと思います。愛する二人はもういない。しかし、自分は真田の家をこれからも守っていかなければいけない。父と弟の分まで背負っていく覚悟をあの時信之は自らに言い聞かせているかに見えました

「参るぞ」

綱家にこう告げ、信之は全てを受け止め、そして前を向きました。その目線の先にしっかりと真田の未来を見つめながら…。涙を見せずに前を向いた信之の横顔は凛々しく哀しく、そしてたくましく見えました。悲しみの感情を押し殺しているんだろうなと思うと、このラストシーンは本当に切なくて涙が止まらなかったな…
この後、信之は松代の藩主となり…かなり長生きしたそうです。彼は立派に真田の家を守り通したんだね…。

最後は有働さんのナレーション。佐久間象山って松代の人だったのか…!討幕のきっかけを作る人物として紹介していたのはちょっと強引って気もしましたが、まぁでも、そのうちの一人ではありますからね。


こうして、『真田丸』は航海を終えました。サブタイトルは最終回には付けられませんでしたが、最初に見終わった後に私が感じたのは「希望」だったかな。みんな前を向いていたから…。死を迎えた信繁たちも、その先の未来に希望が来ることを願って散っていったし、残された信之も失った最愛の人たちの想いを受け止めて前を向いて希望を見出そうとしていたので…。
そのほか浮かんだサブタイトルは、「休息」。これは堺さんも言ってましたね。信繁目線で見たらこのサブタイトルはすごくあてはまるなと思います。あとは、「未来」ですね。色んな意味で。

信繁たちは志半ばで散って行ったけど、哀しかったけど、なんだかそれだけじゃない腑に落ちるものも感じられたいいラストだったと思います。最後に信之のシーンで〆たのもすごく良かった。これまでけっこう斜めに真田丸を見てきた私ですが、最終回は本当に涙涙でございました。


これにて私の大河ドラマ『真田丸』感想は終了です。総集編もありますがその感想はたぶん書かないかと

序盤はもう本当に視聴をやめようかというところまでいきましたが、ここまで完走できてよかったです。最初の内は簡易的な感想ですっきりしてましたが、徐々に長文になって…最終回ではこんな長くなってしまって読みづらい文章で毎度毎度本当に失礼しました
「真田丸」では本当に素敵な役者さんにたくさん出会えました。直江兼続役の村上新悟さんに出会えたことは本当に私にとってとても大きな出来事でしたね。この役者さんに出会わせてくれた「真田丸」には本当に感謝しています。

どちらかというとマイナス的な想いを抱くことも多く、斜めに見ていた「真田丸」。そんな私の感想に最後までお付き合いくださった皆様、本当にありがとうございました
次の大河ドラマは、様子を見て、テンションが上がったらまた書いていこうかと思います(笑)。

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